三分勝負Man
登場人物
・勝負 麺(かっぷ めん)
・勝負 酒(かっぷ しゆ)
「もう、もう終わりだっ」
俺は情けなくも両膝をつき、床を叩く。
「お前のせいじゃないさ、それはきっとあいつもわかってくれるよ」
姉ちゃんは俺を励ましてくれる。しかし、失われた時間は戻らない。あいつと過ごした時間はながすぎた。あのとき、あいつの声に耳を傾けとけば、あんなことにはならなかったのに。
「過ぎ去ってしまったものはもう戻らない……だから……」
「だから…………?」
姉ちゃんの雰囲気が変わる。俺は涙を拭い、姉ちゃんから距離をとろうとバックステップで後ろに下がろうとする。しかし
「あまいっ!」
後ろには、すでに先程の優しい姉など存在せず、まるで雷さまのような鬼が、正確には姉ちゃんが仁王立ちしていた。
「早く晩飯を作れぇぇぇぇっ」
「姉ちゃんには優しさはないのかぁぁぁぁ」
「毎日毎日カップ麺のばすやつに優しくできるかぁぁぁぁ!」
そして、雷の落ちたような音のあと、大きなたんこぶをこしらえた俺は、姉ちゃんにオムライスを作り、先程殉職したのびのびの麺をご飯にスープごとかけて喰らう。なぜだろう、とても少ないスープがとても心に染みて、少し、ほんの少しだけ、ホロリときた。
これは、なぜか毎回カップ麺がうまく作れない料理上手な勝負 麺と姉の酒の日常だ。
今回の勝負
カップラーメン醤油味 ノンダストタイプ|(お湯を入れるのみで、かやくなどがないタイプ)
vs
勝負 麺|(15歳 過去全敗)
結果
麺 敗北
敗因……姉に誘われたレースゲームで夢中になり、二十分放置
To Be Continued?