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そんなこんなで


執務室で魔王様と2人っきり。

レイさんが連れて行ったのは私ではなく二号の方だ。

魔王様がね、せっかく面白いオモチャを手に入れたのにお前の人体実験等で死んだら勿体無いだろって我が儘言っちゃったのよ。

衣食住を提供してもらうんだし、痛くなきゃ多少酷い実験されても我慢するんだけどな。

頭切り離されて死なないぐらいだし、魔法も効かないしね。


二号を抱いて離さないディアドラさんごと研究室に連れて行ったのだ。


何の研究をしているのか興味無いけど、レイさんが資金を出してついでに口や手も出しまくっている研究室は、地下にあるらしい。



「ヨリコと言ったな。お前、首以外からでも分裂できるのか?」


暇を持て余した魔王さま、略して暇王様は瞳をキラッキランと輝かせ、手にはこれまた良く切れそうな剣を持って私ににじりよってきている。

「やめてくださいよ暇王様!さっきのがたまたまだったらどーすんですか!」


「暇……間違ってはいないがまぁいい。試しに腕でもいってみるか」



嗚呼…、又も逃げる間もなくサックリ切られちゃったよ。

セーラー服ごとね。

制服って結構高いのよ。今年高三であと一年しか着ないけどさ、その一年の為に新品の制服を買わなきゃいけなくなったらさ、ママがね、般若になっちゃうのよ。

うちのママ節約が趣味だから、無駄な出費させたら………想像しただけで恐ろしい。首斬られる方がまだましだわ。



「おい?暇王様!弁償しろよ!」

「うむ…、腕ではダメなのか?」


私の切り取った腕を持ち、再生の瞬間を今か今かと待っているようだ。

私はトカゲか!?ピッ●ロか!?

そう簡単に再生するかっての!

鼻息荒くして怒っていると、…………………腕がね、まさにピッ●ロさんのごとく生えてきた。

うわぁ、いくら自分の体でもこれは無いわ。

アレか?神様か何かが与えてくれたチートか?

どうせならもっとまともなチートがよかったよ。


「なんだ腕の方からは再生しないのか」


つまらん、と魔王様は腕を投げ捨てた。

ポイ捨てはいかんでしょ!誰が片付けると思ってんの!私じゃないけどね!

責任もって埋葬して欲しいわよ!

可哀想な私の右腕ちゃん。

この執務室に住み着いてカサカサとゴ●●リのごとく這いずり回ると良いわ。

自分のうでをゴ●●リに例えるのはどうかと思ったけどね。

私が許可しちゃうもんね!


こうなったら分裂しまくってこの魔界とやらを征服しちゃおうかしらん?

魔法は効かないし物理的攻撃でもダメージ無いし、分裂しちゃうし。

私って最強じゃん!

謀反よ!革命よ!


「ヨリコ、お前の思考はだだ漏れだぞ。謀反でも革命でもすればいいがな、そうなったら再生不能になるまで切り刻んですり潰してやるぞ?」


「!!…………やめときまーす」


私の企みは瞬殺されちゃったよ。本気じゃなかったんだけどな。


そういえばさっきから指をトントンとならすような音が聞こえてるんだよね。

魔王様と二人して音のなる方に目をやると、ほらアレよ。

私がさっき考えちゃった事がね、現実になってるみたいなのよ。

右腕ちゃんが器用に指で移動しちゃってるの。


「腕は再生しないで動き出すのか…。では足でも同じなのか?」


「私に聞かないで下さいよ。生態調べちゃうんでしょ?自分で解明してくださいな」


「うむ…、では次は上半身と下半身を分けてみるか」


ええっ!

いきなり!やるなら一言私に断りを入れてからにしてよぉ。


バッサリサックリ斬られる私のか・ら・だ。















まあアレよ。結果は予想どおり私3号の出来上がり!

こうなったら元の世界帰ると一体持って帰ろうかしらん。

帰れるかどうか分からないし、そもそもここがホントに異世界の魔界って所なのか疑わしいけどね。



魔王様と部下達のおもちゃになりつつ、ゴージャスなセレブ生活を満喫する気満々な私だった。










あ、3号は研究所送りになったよ。右腕ちゃんは執務室に住み着くようだ。

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