夢じゃないらしいの
青緑色の液体を飲みつつ状況説明。
どうやらここは私の夢の中ではないらしい。
首切り落とされて再生してるのに夢じゃないんだってさ。
私は異界からやってきた未知なる生物らしい。
人間だけどね、私。
2〜3千年に一度の割合で異界の者が現れて、色々体とかが変化するらしい。
難しい説明を銀髪美形男がしてくれたけどよくわかんない。
私、学校の成績表にも『人の話はよく聞き、理解しましょう』って書かれてたのよね。
まあ兎に角、私は魔法が効かない不死身分裂女としてこの魔界とやらに保護されるみたいだ。
体をいじくり回して調べたいんだって。
痛いことしないなら良いけどね。
自己紹介もちゃんとしてくれたよ。
藤色の長髪美形男がこの世界の支配者、魔王様。名前は長すぎて覚えられないから魔王様と呼ぶ。
見た目三十代の良い男だ。セクシーボイスだしね。
支配者としてやることやって世界は平和だし、仕事なくて暇なんだって。だから私の生態を調べたいらしいよ。
キラキラした目で私を見つめてるのよ、新しい玩具をみつけた子供みたいに。
次に銀髪美形男。
魔界の宰相さんなんだって。魔王様の仕事を奪って少ない仕事をこなしている仕事野郎だ。
魔王様と同じぐらいの年齢で、視線で人を殺せそうなクールビューティ。
眼鏡装着後の私をやたら見つめてくるのよ。眼鏡っ娘スキーなのかな?
名前はレイヴィスウンタラカンタラさん。めんどいのでレイさんと呼ぼう。
金髪ダイナマイトボディ美女。
財務大臣だそうだ。此方もあまり仕事が無いらしい。
部下が優秀すぎて仕事が回ってこないんだって。
すごいんだよ、この人のドレス。スリットが腰骨あたりから大胆に入って魅惑的な太ももがチラチラとチラリズム!!
私の頭程ありそうな乳!
腰まで伸びたシルクのような髪!色気ムンムンだ!
名前はディアドラウンタラカンタラさん。
この世界の名前って長のばかりなのかな?
三人の自己紹介が終わりついに私の番だ。
「どうも、大小山田頼子と申します。頼りになる子と書いてよりこです。
年は十八、思春期真っ盛りの夢見る乙女です。身長は150cm、三つ編みと黒縁眼鏡がよく似合う子です。」
ぎゃはっ、ホントは眼鏡よりコンタクト派なんですけどね。
「自己紹介も済んだ事ですし、さっそく研究室へ行きましょう。
これから直ぐにでも貴女の生態を調べたい」
レイさんはニコッと笑い、私の腕を掴んだ。
美形男の素敵スマイルに私の乙女心はドッキンドッキンと…、高鳴らなかった。
美青年よりダンディーな美中年のおじ様の方が好きなんです。