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生きてるけど…





ゴンッ。


「いったぁー!!」


後頭部に激痛!


「うわお!斬られたのに死なないよ!私の体どこ!」


アレか!

頭が取れて力がでない!

『ア●パ●マ●新しい体よ!』

いやいや、私パンじゃないし。しかも逆だし


「新種の魔物か?」


「新種が現れたという報告は受けてはおりませんが…、気味が悪いですね。」


「再生したりするのかしら?流石にわたくし達でも頭を切り離されたら生きてはおられませんのに。」


「思考を読んでみましょう。背後関係が分かるかもしれません。」


銀髪美形男はわたしの額に手をのばしてきた。


「いや!エッチ!乙女の頭の中は閲覧禁止なのよ!美形の癖に変態!」


クソ!体がないから動けないじゃない!私って何者よ!化け物じゃない!

夢ならもっとマシな夢がよかったわ!

いくら夢でも頭の中を覗かれるなんて耐えられない!

よーし、あんなことやこんなことを…。


「…………………!!」


私の思考を読んだ銀髪美形男はバッと手を離した。


「………よく分かりませんが、夢の世界だと思っているようです。見たこともない風景が出てきたので……この世界の者ではないようです」


「異界の者という事ですか?魔王様の命を狙う者ではないのですね?」


「ええ、しかし危険な事には変わりありません。私と魔王様でいかがわしい想像をしております。」


男同士で有り得ないでしょう…。

銀髪美形男はつぶやいた。

腐女子なめんなよ、お前らなんか801の餌食にしてくれるわ!

銀髪美形男が受けね!

藤色の長髪美形男は鬼畜攻めっぽいもの!私の頭の中でアンアン鳴かせてやる!


しかし眼鏡がないと美形がよく見えないわ。後頭部打った衝撃でコンタクト外れちゃったのよ。

ポケットに入ってる眼鏡ケースを取ってくれないかしら。


体さえあれば動けるのに…。

いつまで続くのよ、この夢。


動け〜動け〜と念じていると、切り口に違和感が………。



「「「!!!!!」」」


何々!そんなに驚いてどうしちゃったのさ。

顎が外れそうだよ美女。

剣落としちゃったよ銀髪美形男。


「あったあった、眼鏡ないとハッキリ見えないのよね。どなたが存じませんが有り難うございます」


眼鏡を受け取り、差し出してくれた人物を見る。



「………ん?」





受け取るって私体無いはずよね?

しかも目の前にいるのは……。


「私?……ドッペルゲンガー?どうしよう、結局死んじゃう?しかも体再生しちゃってる!?分裂だわ!すごい夢!」


「異界の方は分裂するのね…。魔力も無いし、どのような体の構造をしているのかしら」


もう一人の私の体を触りまくる美女。

やめて、百合は美女同士じゃなきゃダメダメ!


「それにしても可愛らしいわ。癖毛でおさげで…チラリと見える太ももが堪らないですわ」


ええ、友人に無理矢理絶対領域を…って!目つきがヤバいよ美女!

目の前で私と美女の百合展開。

「ディアドラ、その辺にしておけ。その娘がどうやってここへ来たか聞き出すのが先だろう」

「そうでしたわ!わたくしの可愛い子猫ちゃん、後で湯浴みをいたしましょうね。もっとかわいらしいドレスが子猫ちゃんには似合うわ」


完全に捕まってるもう一人の私。二号よ、私とは別の人生を歩むのね…。



二号を抱え太ももを撫で回す美女。

私は美形男二人に別室へと連行されたのだった。

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