死んじゃう?
噂の走馬灯…どんな風に流れてくるのかな、死んじゃうけどワクワクしちゃう☆
な〜んて思ってるけどなんともない。
「なっ!?」
美女って驚いた顔も美しいのね。次生まれるときは美形になりたいわ。
「攻撃魔法がきかない?貴女真面目にやってます?」
呆れた様子の銀髪美形男。
彼も攻撃魔法とやらを私に放ってきた!
「きゃぁぁー……あー、死なないですよ。私走馬灯ってのを楽しみにしてるんです。痛いの嫌だしやるならさっさとお願いします!」
「宰相殿こそ腕が鈍っているのでは?……にしても、わたくし達の攻撃がきかないなんて」
「魔力もないゴミ以下の分際で」
ゴミ以下って酷くない?乙女にむかってゴミだなんて!
大体いきなり殺そうとするなんて信じられない!
不法侵入しちゃったみたいな私が悪いかもしれないけど、不可抗力よ!弁護士を要求するわ!裁判より!私は無罪ー!
なんて心の中で主張しちゃってる私。この間も銀髪美形男と美女は交互に攻撃魔法とやらを放ってるの。
私はかすり傷一つ負わないし、豪華なお部屋は廃墟になりつつあるし、藤色の長髪美形男も止めればいいのにね。
走馬灯見たいけど、死にたくないもん。臨死体験なんてまっぴらー。
「…魔法がきかないなら切り捨てれば良いだろうが。部屋の修繕費はお前らの給金からさっぴくぞ」
わあお!セクシーボイス!
耳元で囁かれたら腰砕けものね!
でも斬られたら完全に死亡でしょ、痛いでしょ!
美形の癖してなんて鬼畜な!
「そうですね、魔法に頼ってばかりでは駄目ですね」
「宰相殿、わたくし刃物は所持していませんの。貴方がサクッとお願い致しますわ」
美女が言うと銀髪美形男は細身の綺麗な剣を手に取った。
高そうな剣よ。死ぬ前にそれを売り飛ばして豪遊したいわ。
「今度こそ終わりです。マヌケな侵入者、恨むならお前の主人を恨みなさい」
振り上げられた剣は、私の首めがけて降りてきた。
怖くて逃げたいけど足が動かないのよね。
切れ味良さそうだし、痛くなきゃいいや。
きっと夢だし。死ねば目が覚めるでしょ。
私、ジェットコースターで失神したのね。銀髪美形男のいうとうりマヌケだわ。
血飛沫が舞い、頭と体が切り離された私。
さぁ!現実よカモン!
ジェットコースターで失神した私を笑うがいいわ!
…………………………。