Tips~世界移動に寄せる報告
世界移動に関する報告の一部を抜粋(碧から銅へ送られたもの)
プレーンワールドで記述されるこの世界群だが、その世界群をつなぐワームホールーーーいわゆる、門に関する新たな研究結果が出たので報告を申し上げる。
同一階層の異世界を隔てる膜。これは通常「世界の皮膜」と呼ばれるものであるが、この膜を超えて移動できるものーーーそれは現在のところ以下のものに限られると考えられている。
1.精神物質
2.魔力
3.世界録
上記のモノは大きな制限を受けずに「皮膜」を通過できるが、しかし、それ以外のものが「世界の皮膜」を超えて空間移動をすることは事実上不可能である。というのも、世界の皮膜を境に「秩序」が変容するためだ。
同一世界内の移動は「同一秩序」のもとに行われるため、存在の情報変換が必要ない。ただ、異世界に移動する場合にはこの変換が必要不可欠である。
これまで、世界移動魔法における「門」に関しては、この「変換」の項目に関する言及が不十分であったが、今回の研究で「変換の法則」がいくらか発見できたので報告する。
今回我々は、「皮膜」上に移動担体となるポンプを特定した。まだまだ詳細な解析は必要だが、今回発見されたポンプが秩序変換を行っている本体である可能性が高い。
世界の発生の機序から「秩序」を単純に数値化した場合、分化後の世界のほうが「秩序の自由度」は高い。
つまり、このポンプは世界の「秩序」の圧縮拡張を行っていると予測できる。
このポンプを人的に製造する方法は現時点では存在しないが、ただし、かの魔法使いはこれをすでに作製する方法を手にしている可能性がある。
故に、魔学の発展のためにも、あの『人形』の捕獲が最重要と考えられる。