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夢を、夢で終わらせる力ーーー
霞は神楽と同化すると、世界の被膜へ干渉を開始した。
それと同時に、香織の世界は絶叫をあげ、きしみ始める。
もともと、香織の世界は確立すらしていない、正に生まれようとしている世界だ。
どれほどの理不尽が自身になされようとも、それに抗うだけの力の行使を、許されてはいない。
その光景の中に在って、守護者は一人優しく微笑み、霞達に語りかけた。
「夢を夢で終わらせるために、あなた達が……そう。
そうよね、この世界の価値なんて、あなたたちにとってはチリほども無いのだから、当然の帰結よね……でも、覚えておいてね、「終息点」くん。あなた達がこの結末望むが故に、世界はーーー」
世界はすべからく滅びるのだと、守護者は嗤った。