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Tips~  作者: blue birds
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星に願いを

「星に願いを」


星に願いをかけた少女がいた。


かけられた少女の願いはあまりにも現実離れしすぎていて、願った少女自身、それが叶うことはないだろうと思っていた。


だからこそ、少女は星に願ったのだ。天に輝く星に願いをかければ、それが叶うような気がしたから。


            ♪


少女によって願いをかけられた星は、少女の願いが宿す輝きに魅了された。

夜闇の深淵にあってなお消え去ることの無いその優しき光に、星自身も、少女の願いを叶えたいと思ったのだ。

しかし、少女の願いの輝きは星のそれよりも強すぎて、星には叶えることが出来なかった。


だから星は、自身より強大な存在である宇宙に願いをかけた。

少女の願いを叶えてほしいと。

            ♪


宇宙は星の願いを聞き届けようと考えた。

しかし、託されたその願いの大きさは、宇宙が内包できる許容量を超えていて、宇宙はその全貌を把握することすら出来なかった。


だから宇宙は、「秩序」に願いをかけた。星の願いを叶えてほしいと。


世界の自然法則の管理者である「秩序」なら、この強大な願いも叶えられると宇宙は思ったのだ。


            ♪


「秩序」は彼らの願いを叶えてあげたかった。しかし、できなかった。


それは自分という存在そのものが、彼らの願いを否定していたから。


だから秩序は幻想に願いをかけた。


            ♪


幻想。


それは、ありえないが故に望まれて、望まれるが故に形もつ、無より生じるひとつの奇跡。


それはいつの時代も、どんな場所でも生み出されてきた。


そしてそれは観測されてきたのだ。多くの人々によって。




人。


それは、幾千幾万の世界を宿す、無限の可能性。世界はそのような存在を、あるいは可能性を、霊長と呼んだ。


世界に内包されながら、その実、世界と同格の可能性を秘めた夢幻の存在。


だから世界は今日も願いをかける。


自分とは異なる世界に。


            ♪


こうして巡り巡った幾ばくかの願い達は、少女に還元された。



あとは、少女しだいだろう。


願わくば、彼女の願いが叶いますように。

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