姉妹世界の意味1
マイクが香織の世界で戦闘に突入した頃、
幼子の守護者である楓は、姉妹世界αにて、誰とも知れない彼方のモノに祈りを捧げていた。
「みんな、がんばってる。猫さんもネズミさんも、そして、香織さんも……みんな、奇跡を信じてたたかってる」
だからと、楓は想う。
たとえ、世界の理屈がすべからく正しい結末を望んだとしても、それはそれ。
結局、当事者達が正しい物語の結末を受け入れられるかかどうかということは、別のところにあるのだと―――楓は、信じている。
「一つを二つに分けた意味は、ここに。
繰り返す命はすでに、十分にその価値を示している」
楓は、祈りを捧げる。
結局のところ、それはそれ以上の意味を成さないと知りながら、それでも楓は祈りを捧げていた。
「少女の目覚めは、世界の終わりを。
世界の産声は、少女の終わりを―――意味するその理に、私は異議を唱える」
楓は、自身が許されるたったひとつの奇跡を行使する。
「少女の夢は儚く、もろい―――けれど」
楓は「願い」を行使する。
そう、奇跡という軌跡を世界に残すため、神は理に異議を唱えるのだ。
「―――けれど、夢物語が紡いだ絆はその縛りにあらず。
故に、私はここに奇跡の成就を申請する―――二つであるものを、一つに。きっと、あなた達なら、そんな奇跡も……」
楓は、二人の姉妹に祈りを捧げる。
そして、物語は架橋へと向かう。そう、つまり、そのもの語りの結末は―――
猫と日常の、「猫フルボッコ」的シーンの裏側です。
神様だって、神頼みをするーーーそういうお話です。