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魔弾の狙撃手リィン  作者: ルピナス
第1章「出会い編」

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第4話「実力」

ギルドの裏手には簡素な訓練場があった。


土を踏み固めただけの広場。

木の柵で囲まれ、奥には弓の練習用の的が並んでいる。


ガルドが顎で示した。

ガルド「ほら、あそこだ」

指先の先。

木製の的がひとつ立っていた。

距離は、およそ百メートル。


後ろから冒険者たちがぞろぞろと集まってきていた。

「おいおい」

「小娘が撃つのか?」

「見ものだな」

野次が飛ぶ。

リィンは何も言わない。

ゆっくりと前に出る。

そして、膝をつき、ゆっくりと銃を肩に乗せる。


その瞬間。

周囲のざわめきが、ふっと遠くなった。


黒いライフルが静かに構えられる。

「おいおい」

「本気かよ…」

リィンにはもう何も聞こえていなかった。

ヘイム『……怒ってんのか?』

リィンは答えない。

ヘイム『はいはい。ご勝手に』


リィンの暗い緑の瞳が、まっすぐ的を捉える。

呼吸が整う。

引き金に指をかけた。


轟音が鳴り響く。

銃声が街に響いた。

ゆっくりと立ち見をしていた観客が狼狽える。


そして木の的の中心には綺麗な穴が空いていた。


「当たってる!」

「嘘だろ!信じられねぇ」

ざわめきが広がっていく。


だがリィンは止まらなかった。

――バン

――バン

――バン


乾いた銃声が続いた。

全部で4発がすべて同じ的に命中していた。

近づいて見れば、穴はほとんど同じ場所に並んでいた。


リィンは息を吐きながら銃を下ろした。

少しだけ眉を寄せた。

リィン「……最後だけ少しズレた」

ヘイム『いや充分だろ』

リィン「……不満」

ヘイム『周りを見てみろよ』


リィンが振り返る。

冒険者たち、受付嬢、そしてガルド。

全員が目を見開いて固まっていた。


その沈黙の中で、ガルドだけがニヤリと笑った。

ガルド「ほう」

ガルドは空を指差す。

ガルド「あれはどうだ?」


青空を一羽の鳥が旋回していた。

周囲がざわつく。

「おいおい」

「それはねぇよ」

ガルドは肩をすくめた。

ガルド「やっぱり動く的に当てなきゃな?」

ヘイム『結構無茶振りすんな、このジジイ』


リィンは空を見上げる。

そして銃口をゆっくりと上げた。


膝をつく。

ヘイム『風は西』

ヘイム『銃口一個分、左だ』

リィン「……わかってる」


引き金に指をかけた。

――轟音。


銃声が空に響いた。

上空の鳥の羽根の動きが止まる。

そして、羽を広げ、空中で回転しながら落下する。


ドサッ。

ガルド「ぐはっ」

落ちてきた鳥は、見事にガルドの頭に直撃した。


一瞬の沈黙。


そして爆笑が起きた。

「ぶっははは!」

「爺さん狙われてんじゃねぇのか!」


ガルドは頭の上の鳥を払い落とす。

羽の付け根には、小さな穴が空いていた。


ガルドはゆっくり顔を上げる。

リィンはすでに銃を肩に掛けていた。

数秒の沈黙。

ガルド「わざとか?」

リィン「で?結果は?」

ガルドはニヤリと笑う。

ガルドはギルドの方へ振り向く。

ガルド「受付嬢!」

受付嬢「は、はい!」

ガルドは親指でリィンを指す。

ガルド「こいつを登録してやれ」

ガルドは笑った。

ガルド「こんな面白ぇ新人、逃したらギルドの損だ」

リィン「…早くして」

読んでくださり、ありがとうございます。


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