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魔弾の狙撃手リィン  作者: ルピナス
第1章「出会い編」

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第1話「喋る銃との出会い」

村は、もう村ではなかった。

焼け焦げた家々、崩れた井戸、黒く変色した地面

煙の匂いだけが、まだ残っている。

ここはトルーニャ村だった。


リィンは瓦礫の陰に身を潜め、息を殺していた。

リィン「まだいる…」

足音が聞こえる。

「おい、探せ。まだ生き残りがいるはずだ」

低い声。

馬の足音や剣が抜かれる音。

帝国兵ではない。

もっと下品な声だ。

「ガキでも女でもいい。生きてりゃ金になる」

奴隷商人。

帝国軍が去ったあと、こういう連中がハイエナのように必ず来る。

リィンは拳を握った。

リィン(走るしかない)

意を決して瓦礫の隙間から飛び出す。

「いたぞ!」

「女だ!絶対に逃がすな!」

怒鳴り声が上がる。

リィンは全力で走った。

息を切らして、目的地もなく走る。

靴も履いていない。

裸足の足が石に当たって痛む。

燃え残った家の間を抜け、森の中に入る。


後ろで男たちが追ってくる。

「待てガキ!」

「可愛がってやるからよ」

捕まれば終わりだ。

売られ、そしてどこか知らない場所へ連れて行かれる。

森の中を足を取られながらも走り抜ける。

行き着いた先には古い狩猟小屋

リィンは扉を押し開け、飛び込む。

中は暗かった。

埃の匂い、壊れた木箱。

床に食べ物を保管するための扉があった。

リィンは扉を開け、すぐに入った。

息を潜める。

外で足音が止まる。

「この辺に逃げたぞ」

「この倉庫か?」

扉が軋む。

見つかる。

リィン「お願い…見つけないで」

その瞬間だった。

『……やれやれ』

低い声が聞こえた。

リィンはビクッとする。

男の声だった。

だが、倉庫には誰もいない。

リィンは周囲を見回す。

声が続く。

『騒がしい小娘だな』

リィンは凍りついた。

声は、すぐ近くから聞こえている。

『足元だ。踏んでるぞ。』

視線を落とす。

そこにあったのは、一本の黒い金属の棒のようなものだった。

先端には穴が空き、木の握りが付いている。

『やっと誰かが来たな』

リィンはしばらく黙っていた。

そして小さく言った。

「……棍棒が喋った。」

『失礼な』

それは不満そうに言う。

『俺にはちゃんとした名前があるし、棍棒じゃない』

外で男たちの声が近づく。 

「ここに扉があるぞ!」

「中に居るかもしれねぇ!」

それは誇らしげに名乗った。

『ヘイムダール・エクシード・マジック・ペネトレイト三式という由緒正しき銃だ。』

リィンは一拍おいて答えた。

リィン「……長い。銃?」

『由緒ある名前だ!』

扉が開く。

男が一人、上から倉庫を覗く。

リィンが目に映ると下品な笑顔をする。

「いたぞ!」

リィンは銃を掴んだ。

『撃て』

「……撃つ?」

『そこのレバーを引くだけだ』

銃が言う。

『ちょうど3ストック残ってる。』

意味が分からない。

『狙いをつけろ』

男が手を伸ばす

「逃げ場はねぇぞ」

リィンは震える手で銃を構えた。

『イメージしろ』

銃が言う。

『貫く弾だ』

胸の奥が熱くなる。

引き金に指をかける。

『撃て』

リィンは息を止めた。

震える指で引き金を引く。

轟音が鳴る。


弾は男を貫き、天井を貫いた。

男が血を噴き出して倒れた。

「なんだ…今の音!」

「逃げろ!」

静寂が訪れる。

リィンは呆然と銃を見た。

『だから言っただろう』

銃は愉快そうに言った。

『俺は棍棒じゃなく銃なんだって』

リィンは小さく呟いた。

「……長い名前の銃」

『そこ!?』

こうして、少女リィンと喋る銃の旅が始まった。

読んでくださり、ありがとうございます。

新連載です。楽しんでいってください。

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