悪役令嬢達の文化祭計画 その一
「皆さん、ここ二週間ほどお騒がせして、誠に申し訳ございませんでした」
「気にしないでくださいよマイ様!ローズ様からお話は聞いてますし……こうしてまた、私達の前にいつも通りのマイ様が立ってくれてるだけで私達は嬉しいですし!」
「コナツの言う通りです、マイ様。またこうやってマイ様がお姿を現してくれるだけで俺達は嬉しいですから」
「あぁそうだ。マイ、一個聞かせて欲しいことがあるんだけどいいかな」
「……何となくお察ししています。何故、私があんな風になっていたのか、ですよね?」
あれから翌日っていうか……数時間が経った頃。私達はいつも通り闘技場でまた稽古を始める。マイもすっかり落ち着いたようで、またみんなの前に顔を出してちゃんと謝った。……そして、マイは語り始める。何故、シャクヤの手にかかったのかを。
「訓練が終わったので、いつも通り帰ろうとしていました。……」
マイが言うには、今から三週間ほど前、訓練を終えてマイが帰ろうとしていたところシャクヤと遭遇。マイは無視して帰ろうとしたが、シャクヤの闇魔法に捕まってしまいそのまま気絶。
目を覚ましたらシャクヤに監禁されていて、同時にマイに『ローズ達はあなたの事をずっと笑っている。忌み子、呪われた子だと馬鹿にしている』と言った被害妄想を植え付ける他、私達がマイの事を散々に言ってる偽の映像を頭に流すなどして、マイを自暴自棄?みたいな感じにしたらしい。
「……という感じです」
「わかんない人はわかんないままでいいけど。ジンはわかったでしょ、シャクヤ達に目をつけられるとどんなふうになるのか」
「あぁ……この身をもって知らされた。マイ様だったから私も瀕死ですんだが……それこそローズ様かリリー様だった場合、もれなく殺されていただろうな」
「だからもう一度繰り返すよ。できる限り、メサークという恐らくシャクヤの手下と、シャクヤには気をつけて行動して。言いたい事があるなら私がローズの代わりに聞くよ。さ、それじゃあ訓練を始めるよ」
みんなにこの話をしたのはまずかったかもな。と思ったけどリリーが何とかしてくれたおかげで普通に訓練は終わった。そしてまた特に何事もなく時間は進み放課後。私達は今、会議室にいる。
「おっ、これでみんな揃ったな。じゃあ早速始めようぜ!」
「そうだね、ツジ。それじゃあ始めよっか。……第三回、生徒会議!」
「今回の議題はオイラが用意させてもらったぜ!んで、今回の議題はズバリ……来月に迫った文化祭についてだ!」
「文化祭か。そういえば去年は特に何も無かったけど、生徒会になったから何か出し物をする必要があるのか」
文化祭……なるほど、通りでお祭り好きのツジがはしゃいでいるわけだ。ちなみに、第二回生徒会議は特に何も無かった。にしても出し物かぁ。多分、私は会長だから何をやるにしても主役になるんだろうな。
「あ、なら私一つ思いついた!」
「リリー……嫌な予感しかしないんだけど」
「ふふ。ローズ、それはどうかな?……ズバリ、私の提案する案は……劇だよ、劇!」
だよね~……薄々わかってたよ。だって……基本悪役令嬢ものの文化祭って劇以外ないじゃん。
「ほう、劇か……」
「面白そうだね、劇!」
「コナツは本当に昔から劇や芝居が好きだったもんな」
「ローズはどう?劇、いいと思わない?」
「……はぁ。うん、いいと思うよ」
「ため息混じりに言われてもなぁ?」
「賛成だよ、賛成!これでいい?」
「よし、オーケー!じゃあ演目だとか配役だとかを考えないとね」
……ま、いっか。劇も楽しいしね。あ……そういえば、一回文化祭で紗蘭とやった事もあったな。確か紗蘭の友達の助っ人だったっけ?紗蘭と一緒だったからすごい楽しかったなぁ。……じゃあきっと、大好きなリリーとならもっと楽しめるはずだよね。




