悪役令嬢達のはちゃめちゃ温泉旅行 終
「はぁぁ~気持ち良い~!」
「ローズ、溶けそうになってない?」
「だって……気持ちいいんだもん」
「いやそれはわかるけどね」
「おらおらぁ!まだまだこんなもんじゃねぇぞ!」
「リアン!あぶな……」
「あ、やっべ……」
……結局、みんなで入ることにした。あぁ、もちろんタオルは巻いてある。にしても……思ったより楽しいな。前に三人で入った時も、同じようなことはしたけど……やっぱり人数は多ければ多いほど楽しいな。
「……うおっ!?がぼぼぼ……」
「り、リアン様!?」
「……これに懲りたら大人しくしてて、ね?折角の温泉が台無しになっちゃう。こんなに夜風も気持ちいいのに」
「あ、あぁ。もう絶対しねぇ」
えっと……男子メンツでお湯かけ合戦的なのをしてたらしく、リアンが大暴れしてたのがたまたまリリーに直撃。怒ったリリーは強化魔法を使ってお湯の渦を作り、そこにリアンを五秒ほど閉じ込めた。
……いや怖っ!?ぜ、絶対にリリーだけは怒らせないようにしよう。
そういえば、ここって電気風呂とかはないのかな?前世で沢山入ってたから入りたいし、あの変に再現度の高い運営の事だから絶対ありそうなんだけど
「あら?ローズ、もう上がりますの?」
「いや?ちょっと気になることがあったから調べるだけだよ」
「気になること、ですか?」
「うん」
……結局、なかった。あれぇ?温泉じゃなかったっけ、銭湯だったっけ?ん、待てよ?電気風呂は確か体に害がない程度の微量の電圧だから……もしかしたらできるんじゃ?って思ったけど魔具がないからいいや。
「そういえば、ジークと風呂入るのはこれで二回目だよな」
「あ、そうだね。確かレイス君とはこの前戦闘で会ったよね」
「正直、あの時は驚いたな。オレは今まで一度も友達と風呂なんて入ったことがなかったからよ、たったそれだけでこんな気持ちよくなるとは思ってなかった」
「僕もだよ。恥ずかしい話、僕は昔から魔法研究ばっかりでそもそもに友達と呼べる人すらあんまりいなかったし……」
お、どうやらレイスとジークがすごい楽しそうに話してる!なんかこういうの見るとほっこりするんだよなぁ。なんか母親になったみたい!
「あの、ラーベル様……」
「どうかしましたか?イリア」
「いえ。ごめんなさい、ラーベル様とお風呂に入るのはこれが初めてなものですから……」
「……みんなもいますけどね。でも、私も内心は緊張してるんですよ?一度、海にはいきましたがそれとこれとはまた別ですしね」
「なら、一緒ですわね」
相変わらず二人の関係も良好そうでなによりなにより!……いやもう断罪イベントは終わってるんだけどね。あ、じゃあ後は……
「気持ちいいね、マイ」
「あ、ローズ様!はい、とても気持ちいいですね」
「変なこと聞くけどさ、マイは私と出会ってから、変わったと思う?」
「はい!大きく変わったと思います!まず、ローズ様と出会って自信がついたので一切見た目を隠す必要が無くなりましたし……もう辛いと思うことも無くなりました」
「そっか、なら良かったよ。あの時、マイを助けてよかった」
「そう言って貰えて光栄です。私は……そうですね、あの時、ローズ様と出会えて良かったです」
一人でいたマイに、話しかける。ちょっと昔話も交えながらだけどね。……何年経っても、私はずっと繰り返しこの言葉を言うだろう。あの時頑張ってよかった、と。
……それから数分して、私達はみんなあがった。みんなで浴衣を着て、はしゃいだりしてた。浴衣を着たリリーは、もちろん美しかった。
今は、リリーの提案で枕投げをしている。正直、枕だろうとリリーが投げるのは怖い。だって……ねぇ?
「ローズ、なにぼーっとしてるの!そーれっ!」
「え?うわっ!や、やったなリリー!えいっ!」
「お、やる気になった?ローズ」
「……あの二人を見ていると本当に微笑ましいですわね、マイ」
「ですね、イリア様……きゃっ」
「そこの二人も油断してたらどんどん当ててくからねー?」
「やりましたね、リリー様!私も投げます!」
なーんか、嫌な予感がするなぁ。多分この後誰か来るでしょ……ほら、来た。
「えっと皆様、何をされて……わっ」
「あー……ごめん、ジーク。ちょっと今リリー達がはしゃぎすぎちゃっててさ」
「……枕投げ、ですか……確かに、面白いですよね、僕も混ぜてくださいよ!」
「えっちょっ早っ!?」
枕に当たったのはジークだった。……あ、そっか。完全に忘れてたけどジークは平民だから枕投げとかの理解はあるのか。にしても……早くない?投げるの。ほぼ一瞬だったじゃん!
「ふん、いいもんね!私も本気でやるもん!」
「のぞむところですよリリー様……受けて立ちましょう!」
待って……あれ?ジークってこんなキャラだったっけ?あの、ジークは特定の条件でスイッチが入ってキャラが豹変するタイプのキャラクターなの?いや、枕投げなら平和……だけども。
「ちょっと騒がしいですよ皆さん、何やって……いや、本当に何してるんですか」
「あ、ラーベル!今ね、枕投げやってたの。ラーベルもやる?」
「枕投げ……ですか。はぁ、なんでこっちも……」
「えっと……こっちも?」
「今、私達の部屋でもレイスと兄様がやってるんですよ」
「あー……大変だね、ラーベル様……」
「今は……二十二時ですか。もうそろそろ私は寝ます、のであまり騒がしくしないでくださいね」
「うん、わかった!……じゃあ、マットとか元に戻そっか」
「うん、そうだね」
部屋にラーベルが来て、ちょっと怒られた?のかわからないけど注意されてしまったので枕投げは中止となり、ちゃちゃっと片付けて、私達はすぐ寝た。




