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最強最悪の悪役令嬢に転生した私は、やがてメイドとなる主人公に恋をする。  作者: dm
悪役令嬢17歳(地獄の予兆)

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悪役令嬢VS主人公(パフォーマンスコンテスト)


「ここより少し遠いところ……王都クロッセルから参りました、リリー・クレスアドルと申します。今日、私は舞わせてもらいます」


リリーが話し始めると、少しだけざわつく。まぁ……ここは辺鄙な街って設定だしね。いきなりそこに王都の人間が来たらざわざわするのもしょうがないか。


と思ったら、あっという間に客席にいる人たちは皆静かになった。……凄い、始まる前から体中にリリーの厳かな雰囲気が伝わってくる。そういえば、舞踊っていってたけど……音はどうするんだろう?まさか、無音!?


「リリー・クレスアドル。いざ、華やかに」


リリーがそう言い、舞い始める。流石リリーなだけあって、その舞はとても綺麗で、美しい。私は、初めて知った。こんな、音のない舞踊でも心を惹き付けることができる人がいたんだって。リリーは、ただ舞うだけではなく、所々身体強化魔法を使ってある程度の所作を素早くしている。例えば、扇子を回したりだとか、一歩一歩の歩みとか。あっちこっちに動き回り、元からあった美貌を更に美しく魅せていく。そしてリリーは、扇子を閉じて一礼をした。……え、早くない?


「……ありがとうございました」


リリーにぶつけられる、溢れんばかりの歓声と拍手喝采。実際、私も見ててものすごくかっこいいって思った。美しいって思った。そして、改めてリリーの凄さを実感した。


少しして、リリーの結果が出た。結果は、十点、十点、十点、十点、九点の四十九点だった。……え?これ私が満点とらない限りは勝てなくない?


「ローズ、どうだった?凄かったでしょ」

「うん、とっても凄かった!けど……終わるの早くなかった?」

「私も出るのは今回が初めてだからね。どのくらいの長さがいいか、全く分からなかったんだ」

「あーそっか。にしても……これ、私が満点とらない限りは私の負けじゃん!」

「ローズなら取れるって、大丈夫!」

「その自信はどこから来るの……」


リリーの出番が終わり、舞台袖でリリーと軽く話していたら、今度は私が呼ばれた。よし、じゃあ行くか……満点取れる自信はないけど、最っ高のパフォーマンスを見せなきゃね!


「お、次はローズの番だね。はい、扇子」

「あー……扇子はいらないよ」

「え?」

「まぁ、見てればわかるよ。それじゃあ、行ってくる」


ひゃー、やっぱりここから見ると凄い人多いな。前世の名残でこういったことは普通に緊張しちゃうんだよなぁ。けど……緊張してちゃ、到底リリーには勝てない!よし、やるんだ私!


「同じくクロッセオから参りました、ローズ・コフィールと申します。そして、私も同じように、舞踊を披露させていただきます」


リリーはとっても凄かった。本当に言葉が出ないほどに綺麗で、かっこよくて。でも……私だからできるやり方で、私はリリーを超える!


「ローズ・コフィール。華として舞いましょう」


私は、ただの扇子は使わない。そう、ただの扇子は。扇子でも、団扇でも、鉄扇でもない、私だから出来る舞。私が使うのは……炎の扇子だ。


「……炎よ、開け」


そう唱えると、私の手元には赤色に淡く光る二枚の扇子が現れた。あえて魔力量を減らして、熱くないようにして、淡く、綺麗に光るように調整した。リリーには申し訳ないけど、惜しみなく魔法も使わせてもらおう。あんなの見せられちゃったからね、結構燃えてきちゃった。


例のごとく、音はない。けど……思ってたよりもやりやすいな。……あ、そうだ。折角なら、もっと綺麗にしよっと。……炎よ、散れ!


「うわっ、何だこれ!?炎の……花びら?」

「あれ?全然熱くない!それに……綺麗!」


会場を包み込むように、私は炎の花弁を散らす。もちろん熱くないやつ。散らすと言ってもただ散るだけでは奥の方まで届いたりはしないので、それに加えてさらに扇子を介して風魔法をしようする。そう、これは……たくさんの魔法が使えるかつ、段違いの魔力を持っているローズ様の体だからこそできたこと。結構芸術点高いでしょ。これ。


……うーん、でもそうだなぁ。なんか私が思ってたのと違う気がする。あ、またまた思いついちゃった。もはや舞踊って言っていいか分からないけど……ま、いっか。もっと派手に行こう!


「……舞え!」


私は扇子二枚を思いっきり投げて宙返りをする。そして扇子を宙で止め、超高速で扇子を回してまた花弁を散らす!そして……私が地面に着くタイミングでキャーッチ!よし、決まった!後はフィナーレを綺麗に飾るだけだ!


……よくよく考えてみたら、これって舞踊って言うかただのマジックでは?いや、確かにこうもぽんぽん魔法の形を変えれるのは私くらいなんだけど。


「まずは……わん!」


扇子を扇ぐと、風が赤色に染っていき、やがてそれは木を形どった。まずはそう、炎の木を作ってそこからもう、とにかく花弁を……散らす!


「次につー!」


同じネタにはなってしまうが、私が手をぐっと握ると炎の木が小さく爆発して、また先程より大きく花弁を散らす。いやぁ、我ながら綺麗だね、炎の花弁って。夜やってたらもっとエモかったかも?


「最後、すりー!」


再び扇子を空高く投げる。すると今度は扇子も光って爆発して……綺麗な花火になった。よし、フィニッシュ!


「ありがとうございました」


私が礼をすると、リリー以上の歓声と拍手が聞こえてきた。


「さて、それでは結果を見てみましょう!ローズ・コフィール選手の結果は……十点、十点、十点、十点、十点!なんと、五十点満点です!ということで、見事満点をたたき出し最優秀賞を獲得したのは……ローズ・コフィール選手です!皆様、大きな拍手をお願いします!」


……ちょっと、やりすぎちゃったかも?リリーに申し訳ないな。けどまぁ、いっか。勝負仕掛けてきたのはリリーの方だもんね。あ、そういえば景品って何が貰えるんだろ


「見事最優秀賞を獲得いたしましたローズ選手には、景品の『一泊二日、アダリエ温泉旅行券』を八枚寄贈致します!」

「えっやったー!」


ちょうど八枚だから……うん!みんなで行けるね!だったら頑張った甲斐があったかも!


「あはは……完敗だね、ローズ。凄かったよ。私にあんな綺麗なものを見せてくれてありがとう」

「私の方こそ、誘ってくれてありがとう!リリー!あ、それでさ!ちょうどこの旅行券が八枚でしょ?だから、ラーベル達も誘ってみんなで行こうよ!」

「いいねそれ!うん!次学校の日に誘ってみよ!」


あ、忘れてたけど一応これデートなんだ。そういえば、今日はリリーと写真を撮ったので私の部屋の写真立てに飾ることにした。……とまぁ、そんなこんなで私はリリーとのデートを終えて、ラーベル達に旅行のことを話し、また旅行の準備をしている最中だ。

……リリーとだけじゃなく、みんなとの思い出も沢山増えていくのが凄い嬉しいな。

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