悪役令嬢とヤンデレパニック! ~その二、元忌み子~
「……マイに見つかっちゃったか。イリアは下がっていってくれたけど……マイはイリアと比べると段違いに魔力量が多い。普通に鎖に捕まれば私も解けることはできないし……何よりマイは元から半分くらいヤンデレに突っ込んでた!だからマイに捕まったら絶対やばい!」
「……逃がしませんよ、絶対に……絶対に!!」
マイは黒い炎の鎖を十本、私に向けて放ってくる。……え、待って?いや確かにヤンデレに本当も嘘もないんだけどさ、マイってば結構ガチめに私の事捕まえに来てない!?
「ねぇマイ……もしかして怒ってない?」
「はい、怒っています。……ローズ様、貴方はとてつもなく優しいです。実際、沢山の人がこれまでローズ様に助けられてきました。……でも、私はそれが気に入らないんです!私だけ見てもらいたい。私とだけ話して貰いたい。私にだけ優しくしてもらいたい。……きっと、今の私は最低でしょう。それでも、それでもっ!私は貴方を私だけの貴方にしたい!心も、体も、魂も……貴方の全てが私を求めるようにしたい!」
やっぱりこれかなり本気なタイプだ……常日頃からヤンデレに近かったのに、愛情を倍増させられたらまぁ、こうなっちゃうよね。……にしても本当にどうしようか。今はかろうじて鎖を捌けてはいるけど……
「……悪いけど、それは無理だよ。私は誰のものでもないし、やっぱり色んな人と接していたい」
「なら、勝算も上手くいく見込みもありませんが……貴方をどれだけ傷つけてでも私のものにします」
マイが魔力を解き放ち、目元にあった雫がすうっと消える。そして、ジャラジャラと音を立てて無数の鎖が私目掛けて迫ってくる。
「私も捕まる訳には行かないからね……本気で逃げさせてもらうよ!」
流石にこれを捌きながら逃げるのは私でもだいぶきつい。ので、結局は逃げる。いやぁやばいやばい!マイでこれなんだから、リリーは一体……う、考えただけでもゾッとする!リリー相手ならまず逃げれないし……ってあ!
「ふふ……行き止まりですね、ローズ様。あ、飛ぼうとしても無駄ですよ?もう既に貴方は鎖で包囲されてます。なので諦めてもう私に捕まってください」
流石にあの魔力量で包囲されちゃ無理だよね。はぁ、ここまでかな。ちょっと怖いけどまぁ二日なら……と、思った瞬間。水が飛んできて炎の鎖は全て消えた。
「マイ様……何をされているのでしょうか?お嬢様は、私のものですよ?」
「あ……そうだった。アベルもそうなんだったね……」




