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最強最悪の悪役令嬢に転生した私は、やがてメイドとなる主人公に恋をする。  作者: dm
悪役令嬢16歳(入学)

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悪役令嬢と主人公の手合わせ


「さっきも言ったけど、今日はあくまでも余興だからちょっと軽い力で、ね?本気は武術大会にって感じで」

「うん、わかった!」


リリーと戦うのは初めてだからちょっと緊張するな。リリーの主な魔法とかは知ってるし、お互い手を抜いた勝負なんだけど……はたして手加減込みでの速さがどれくらいのものなのか。


「じゃあ、初めよっか。ローズ、準備はいい?」

「もちろんだよ。手加減してるとは言えど絶対に負けないから」

「私もそう簡単には負けないからね。それじゃ……初め!」


リリーが合図をする。次の瞬間、リリーは私の真横にいた。……くっ、流石にこれでも早いか!


「……風よ!」

「うわっと……まぁ流石にローズだし反応されるよね」


……さてどうしようか。さすがにこのまま防戦一方じゃだいぶ厳しい……かと言って攻めるチャンスもない。いや、手を抜いた勝負なら……無詠唱でいいか。


「……っ!?凄いね、ローズは。まさか無詠唱で来るなんて」

「リリーの方こそ咄嗟に対応してくるなんて。……はぁっ!」


以前ダンジョンの時に使った雷の玉を、絶えず無詠唱でリリーに放ち続ける。が、全部リリーに避けられる。……流石の反応速度だ。もしかしたらリリーは私が最も苦手とする相手なのかもしれない。いくら水玉を早く飛ばしたところで動体視力を強化されたら普通に見極められてしまうし、本気を出されたらさすがの私も捉えることは難しくなってしまう。


「あぁもう埒が明かない……なぁっ!」

「……流石にずっと撃ち続けてたらそう来るよね」


リリーは動きながら剣を取り出す。そして雷の玉を全て切り裂いていく。……これはさすがに手を抜きすぎたかも。もう少し私も本気だそうかな。


「これなら、どう?」

「おっと……鎖か。でも残念だったね。鎖なら多分……切り裂ける!」

「流石にこれも通じない、か……」


やっぱりまだ無詠唱だと威力が弱まってしまい、雷を鎖に固めたところで全て切り裂かれてしまう。……そうだな、九月の武術大会までにジークに無詠唱での魔力の扱い方を教えてもらおう。多分きっとジークならそれもわかるはずだ。


「そろそろ私も攻めさせてもらうよ!」

「!盾となれ!」


流石に剣を持ったリリーの攻撃は無詠唱じゃ防げない。ので風をジークに教えてもらった?というか私と手合わせした時にジークが使っていた、自信を囲うタイプの盾にする。……いや、危ないなかなり。それでも少し押し込まれてる。


「かなりギリギリなんじゃない?ローズ」

「うん、ほんとにだいぶギリギリだった。ちょっとだけ本気のリリーと戦うのが怖くなってきちゃった」

「私も本気のローズと戦うのはかなり怖いかも。今でさえ攻められたら私が攻める隙が無くなる!」

「私だって攻められたら防ぐのはかなり難しいからね」


流石はリリーだ。今このお互いに手を抜いている状況でさえだいぶ怪しい。……結構真面目に研究というか勉強を重ねないとほんとに大会で負ける!


「ローズ、楽しい?」

「うん、ものすごい楽しい。リリーも?」

「もちろん!ここまで真剣に勝負できたのはローズが初めてだよ!」

「ふふっ、なら良かった!それじゃあもう少しだけあげていくよ!」

「ま、やっぱりそう来るよね」


私は水を十本の槍にして飛ばす。……やっぱり剣を持ったリリーには弾かれてしまうか。にしても……本当に楽しいな。手加減してこれなら本気で勝負したらどれくらい楽しいんだろう。


「リリーを追って、炎鎖!」

「水槍と並行するなんて……そんな事して体力は大丈夫?」

「ちょーっときついかも。けど、これくらいでへばってるんじゃ到底リリーには勝てないよね!」

「流石ローズ!まだまだいっぱい私を楽しませてくれる!」

「やっぱり全部切り裂かれちゃうか。水槍と並行してなら行けると思ったんだけどなぁ」


多分まだ体力は持つはず。ならば一発重めの魔法を打ち込もう。


「溢れ出して、水柱!」

「お、それはジークが使ってた……ってうわ、意外ときついなこれ!」

「でもリリー、全部避けきったじゃん」

「かなりギリギリだけどね!本当は武術大会の時に使おうと思ってたけど……ちょっと解禁しようかな。私に応えて、神秘の剣!」


そうリリーが口にすると、リリーが持っている神秘の剣……あのダンジョンの剣が光る。……いよいよきたか。そう、リリーは剣を通してなら攻撃魔法が使える。主に斬撃を利用した魔法なので、剣魔法と言ってもいいくらいだ。……さて、一番の問題はこのリリーが飛ばしてくる斬撃も本当に早いということ。ゲームの方でも負けてしまうとはいえローズ様もその斬撃を目視できなかった。


「ねじれる斬撃!」

「くっ……!」


神秘の剣から斬撃が放たれる。それを私は水の剣で防ごうとするが、くねっと斬撃は曲がり私の頬を掠める。


「よし、一発。……どうする?まだやる?」

「そうだな……じゃあもう一発いれたらリリーの勝ちでいいよ」

「おっけー。それじゃあ……はぁっ!」


……いやいやまさか一発貰うなんて。にしてももう一度ねじれる斬撃か?……いや違う、これは普通の斬撃だ!


「水槍!」

「ちぇ、引っかかんないかー」

「今のフェイクは少し驚いたな。……けど、もうあらかたわかったよ……突撃!」

「えっちょ、多っ!?」


炎の槍、水の剣、雷の玉をそれぞれぶつける。これだけぶつければ流石のリリーも防ぐしか出来なくなる。……にしても本当に強いなリリー。いくら手を抜いてるとはいえこんだけやってもまだ傷一つつけれないなんて。


「はぁ……はぁ……」

「流石にあれだけやればちょっとは疲れるよね。斬撃の……雨っ!!」

「水、炎、風よ!我を守る盾となれ!」


リリーが空に斬撃を放つ。すると、斬撃の雨が降り注ぎ、草木を切り裂いていく。流石にこれは受けれないと思い、三重の盾で防ぐ。


「そうすると思ったよ、ローズ」

「なっ!?」


いつの間に後ろに!?いや、しまった!


「えいっ!」


リリーが剣で私の盾を叩き切る。それと同時に斬撃の雨の最後の一滴が私に当たる。


「はい、もう一発。私の勝ちだね」

「あはは……負けちゃった。次は絶対負けないからね、リリー」

「うん、次も絶対負かしてあげるからね、ローズ」

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