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「残り三十秒……やれるだけ、やってみようか。……二刀流!!」


リリーは空いている右手で、神秘の剣を掴む。……お互いやれるだけやろうってことか。上等!!


「ローズ。最高の三十秒にしよ」

「うん、しよっか。一分にも、一時間にも感じるような、とてつもなく楽しくて長くて短い三十秒に」

「解刀緋桜一ノ解、炎魔!!と、斬撃の雨!!」


やっぱり来た、緋桜と神秘の剣の合わせ技。私を飲み込まんとする炎の波と、炎の波に触れて火が移り、燃えている斬撃の雨が私一点を目掛けて襲ってくる。

さて、それじゃあ私もまた新技のお披露目と行こうかな。手と手を合わせる。すると、両手の間に少し大きな水玉が浮かび上がってきた。……この二ヶ月で、一通りずっと前から愛用している魔法は進化させた。水槍や炎鎖は元から強いから変わりなしだけど。


随分と遡って、シャクヤとの戦い……が終わる寸前のところ。私は、シャクヤの自爆に耐えきれないと思い柱魔法を凝縮して結界を展開していた。その時から、ひとつ疑問に思っていたことがあった。もし、この柱魔法の凝縮を攻撃に全部りしたらどうなるんだろう、と。そうして生みだしたのがこの、水の柱の進化技。その名を……


水ノ砲撃(アクア・ブラスター)!!」


両手の間に浮かんでいた水玉は、とてつもなく大きなものとなり、発射された。例えるなら……水玉、というよりも極太レーザーとかそういった類に近いかも。

発射されたレーザーは、炎の波を完全に消し去り、斬撃の雨も大きく消し去った。……これ、私が思ってるよりもやばい?


「……やっぱりまだまだたくさん隠してたんだ。んー……よし、じゃあこれでおしまいにしよう」

「ちょっと残念だけど……うん、そうしよっか」

「ねローズ。お願いなんだけどさ、私が合図したら時間を止めてくれないかな。私と、ローズ以外」

「うん、いいよ。わかった」

「それじゃあ、行くよ。……クレスアドル流奥義百閃(びゃくせん)プラス、解刀緋桜極ノ解、繚乱緋華。合技……百華閃乱!!」


瞬間に私の視界が暗闇に包まれる。……あれ、前はこんな感じじゃなかったはず。まぁいいや。どの道幻覚程度なら、自分で治癒ができる。


「ローズ、今」

「おっけー!!」


リリーの合図に合わせて、私はリリー以外全ての時間を止めた。もちろん魔法も動いていないし、リリーの時間制限も停止したままだ。それで……リリーは一体何がしたいんだろ。


「ローズ。こっち来てくれる?」

「うん、いいよ。……ここ?」

「うん、そこ。じっとしててね」

「え?何するの!?」


リリーに言われるがままに、リリーの近くまでよってじーっとしてるとリリーが手を私の背中に回してきた。……え、えぇ!?まま待って!!


「軽く考えてみたんだけどね。これで、ローズに勝てる気がしないんだ。……だから、私の負けだね。優勝おめでとう、ローズ」

「……え?」

「もう解いていいよ。終わらせよっか」


抱きついてきたかと思えば、今度は……キスをしてきた。え?あ、あの……え?ま、待って??なんで急に??と、とりあえずリリーはもういいって言ってたから時間停止は解く……けど!!


「……どうだ!!」

「うわっやばっ!?」


時間停止を解く。そしてリリーが緋桜を鞘にしまう。

その次の瞬間。私とリリーを繋ぐ一直線上にとてつもなく大きな斬撃が走った。……何とか避けれたけど……これ食らってたら危なかったなぁ。だってほら、闘技場穴空いてるし。……とまぁそれはさておき。


「ふふ。まーけたっ!!」

「何とか、勝った……」


リリーは糸が切れた人形のようにがくんと倒れて、そう笑った。……何とか、勝つことが出来た。うわすごいな。体が強く引っ張られてるみたいだ。


「おやすみなさい、お嬢様」

「……おやすみ、リリー」

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