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久しぶりのデート 終


「はぁ~、食べた食べた!さ、後は悔いないように思いっきり遊ぼう!」

「だね!よし、じゃあ……いっぱいジェットコースター乗ろっか」

「いっぱい……いっぱい、かぁ」


確かにこの遊園地は沢山ジェットコースターがある

けど……多分、リリーは全部乗るつもりだ。ほんと、リリーのいじわる。私がジェットコースターそこそこ苦手なのを知ってる癖に


「よし!まずは……あれ乗ろう!」

「あれ?あんなのあったっけ?」

「ローズは知らなかったんだね。先月かな、新しいジェットコースターが作られたんだ」

「へぇ、そうなんだ!」

「うん!そして今は丁度運良く人が空いてるから、乗るなら今のうちだよ!」

「じゃあ早い事乗っちゃおう!」


新しく出来たジェットコースター……どんな感じなんだろう?ていうかジェットコースター乗るのって何年ぶりだろ。


「へぇ~、席が繋がってるんだね」

「ちゃんと安全バー降ろして、と……」

「あ、そろそろ動くみたいだね!……そういえばローズってジェットコースターもちょっと苦手だったね」


席は、個別ってよりかは……なんて言うんだろ?ソファーみたい?な席だった。もちろん隣にはリリーが座っている。安全バーを降ろして、念の為……ていうか私欲で手を繋いで、そして動き始めた。


「うわっちょっと!?早っ!?」

「この感じ……もしかして風魔法!?」

「そういえば今まで魔法を使ったアトラクションはなかったもんねこのゲーム!!」


始まりのベルが鳴り終わると、私やリリーの全速力とまでは行かないけど、それでもとてつもないほどのスピードで動き始めた。……奥の方から炎魔法と風魔法を感じる。なるほど、この二つを組み合わせて擬似的にジェットエンジンを作ってるのか!っていうかとうとうリリーがゲームって言っちゃったよ……


「待って!思ったより早い!ねぇリリー!手を離さないでね!!」

「うん、離さないよ。っていうか……そんな喋ってると舌噛むよ?」

「そこはこう……魔法で何とかしてるからいいの!」


思ったよりも全然早いし、段々と速度を増してくしでちょっと怖くなってきたので、リリーの手を強く握りしめる。握りしめたけど……気づいたらもう終わってた。流石に、早すぎるだけあって短いのかな。


「ローズ、大丈夫?」

「うん、なんとか!まだ行けるよ!」

「よし、じゃあ……ここのジェットコースター、全部乗ろっか!適度に休みながら、だけどね。まずはあれに乗ろう!」


……という感じで、ジェットコースターに乗ってダウンして休んで乗ってを繰り返して、全てのジェットコースターに乗り終えた時、時計の針は八時を指しており、ちょうど辺りも暗くなっていた。


「はー、楽しんだね!」

「だいぶ疲れたけどね。でも、とても楽しかった!」

「そうだ、そういえば聞いてなかったんだけどさ」

「ん?」

「どうして、誘ってくれたの?それも、ローズの方から」

「えっと……気分を紛らわしたいから、かな?」

「紛らわしたいから?」

「実は、お母様からね……」


それからリリーに、お母様に次期当主になってもらいたいと頼まれた事や、それを考えて少しだけモヤモヤしてたことを話した。


「へ~、ローズがコフィール邸の次期当主かぁ」

「当主がどんな仕事するかとかも分からないし、いつなるのとかも分からないからだいぶ不安になっちゃって」

「んー……そうだ!ね、ローズ。これは私からの提案なんだけどさ、勝負しようよ」

「勝負?」

「うん。九月にある武術大会で。罰ゲーム的な何かつきの」

「その罰ゲーム的な何かって?」

「ちょっと特別な罰ゲームだよ?もし、私が負けたら……私を、ローズの専属メイドにしてよ。ローズが負けたらどうするかはローズが決めていいよ。……どう?」


もし、リリーが私の専属メイドになってくれたなら……ずっと、一緒にいられる?毎朝おはようって言ったりだとか、髪の毛のセットをしてもらったりだとか、一緒にご飯を食べたりだとか……できる?だ、だったら私には夢のような話だ。断るわけない。


「いいよ。その話、のった。じゃあもし私が負けたら……思いつかないから、何でも一つだけリリーの言うこと聞いてあげるよ」

「成立だね。負けないよ」

「私こそ」

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