表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/188

また、いつも通りの。 前編


「ん……」

「あ、起きた。おはよ、ローズ」

「っ!?り、リリー!?な、なんで!?」

「そんな驚かなくてもいいじゃん。あと、しーだよ。まだ二人とも寝てる」


ちゅんちゅん、と雀の鳴き声が聞こえてきて、目を覚ますと、何故か目の前にリリーがいた。……え?確か私とリリーってマイを挟んで寝てたはずなんだけど……ってか顔近い!


「えっと……今、何時?」

「今はね、七時だよ。っていうかローズ、覚えてないの?私を枕にしてたこと」

「え?あー……」

「あ、顔赤くなった」


なんかそんな記憶もあったようななかったような……?ってかやばい、顔が物凄く熱い!なんか思い出してきて凄い恥ずかしいんだけど!!


「も、もう……」

「あ、そういえば……どうやって帰るの?ローズは」

「それでちょっと悩んでるんだよね……普通に帰っても不思議だろうし、かと言って怪我とかして帰ってもあらぬ語弊を産むことになりそうだし……」

「んー、あれなら私も一緒に行こっか?多分私が一緒なら大丈夫でしょ」

「助かるよ、ありがと。……顔、洗いに行こっか」

「うん、そうだね」


私とリリーは、寝ているマイとイリアを起こさないようにベッドを抜けて、レクファー邸の洗面所を探していた。


「あら、早起きなのね……おはよう、二人とも。まだマイとイリアは寝ている感じかしら?」

「おはよう、シャクヤ。うん、二人ともゆっくり寝てる」

「今私達、洗面所を探してるんだけど……」

「洗面所なら、あそこよ。もう朝食も用意してあるから、早いこと済ませちゃいなさい」


なんだろう……すごい、お母さんみを感じる。っていうか、シャクヤも本当に綺麗だよね。糸のようなとても綺麗な白い髪に、以前と違ってハイライトが入って色も変わったエメラルドグリーンの目。シンもだけど、敵キャラもみんな美しいの本当に凄いな。


シャクヤが洗面所の場所を教えてくれたので、歩いていく。朝ごはんも用意してくれてるんだな。……いや、囚われの身だった時からご飯は三食分貰ってたけども。


「闇の魔力って本当に凄いね。だって今のシャクヤからは昨日までの姿が想像できないもん」

「それくらい恨みっていうのはすごいんだよ、きっと。そうだなぁ……例えば」

「例えば?」

「きっとそんなことなんてないと思うけど、もし私が誰かに殺されたとする。そしたらリリーはその人の事をどう思う?」

「えっと、私の素直な気持ちね。そんな事があったら……殺したい。沢山苦しませて、死なせたい」

「ほら、そんな感じ」

「んー、なんとなくわかったかも」


なんて事を話してたら、洗面所に着いたので顔を洗って、私達は朝食を食べに大広間に移動していた。


「あ、ローズにリリー……おはようございます……」

「ローズ様、リリー様、おはようございます」

「あれ、二人とも起きたんだ」

「私が起こしたのよ。やっぱりご飯は皆で食べたいじゃない?」

「お二人はまだ寝起きみたいですけどねぇ」


大広間に着くと、もう既にみんな座っていた。本当に、起きたばっかなのだろう。イリアとマイが寝癖をつけたままとても眠たそうに座っている。


「……ちょっとマイ、寝癖すごいことになってますわよ?とてつもなくハネてますわ」

「そういうイリア様こそ……ぼさぼさじゃないですか」

「二人は食べ終わったらすぐに顔洗ってきなさい。……さ、食べましょうか」


という感じで朝食を済ませて、何もすることないなーって思ってたら、シンから戦いを挑まれた。


「ここならぁ、好きに暴れていいので本気できてくださぁい」

「別にいいけど……すぐ終わっちゃうよ?」

「はい、構いませぇん。奥様に打ち勝ったその実力、見せてもらいましょうかぁ。……吹き荒れる風よ、燃え盛る炎よ、形を得て私に仕えるがいい!」


これが、マイ達から聞いてた炎風の鋏ってやつか。って言うか本当に炎と風の二つを使えるんだね。


「それじゃあ両者、位置について」


リリーが開戦の合図をしてくれることになっており、手を下ろす。そして


「用意、始め」


手を上げる。もはや恒例となってきつつあるけど、最初に動いたのはシンだ。あれ、思ったよりも遅い?

炎風の鋏も普通に凌げてるし……よし、じゃあ私もちょっと攻めてみるか。


「おいしょ。さて、大体二十秒くらいかな?……にしても魔法を武器として完全に顕現させるのは面白そうだな。じゃあちょっと私もやってみよっと」


とりあえずでシンの時間を止めて、

右手に水の魔力、左手に雷の魔力を出して、両手を合わせる。二つの魔力は、やがて一つになっていき、青色の剣が姿を現した。


「そうだな、名付けるなら……水雷の剣でいいや。で……はい、一閃。であと時間停止も解除」

「……体が物凄い痺れて動かせませんねぇ」

「えっと……なるべく傷つけずに勝つにはこれがいいと思って?大丈夫、もうちょっとしたら治るよ」

「わかりましたぁ、私、この人に勝てませぇん。私の負けでぇす」


ふと後ろを見ると、マイとイリアが凄い驚いていた。


「シンが、秒で負けを認めるなんて……」

「リリーから聞いてはいましたが、ローズ……本当に桁違いに強くなったんですのね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ