表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/189

母と子、先輩と後輩 一


「さ、食べましょうか。ここら一体は魔獣とかが多く生息するから、他のよりも美味しいはずよ」

「おぉ……全部美味しそう!特にこのステーキとか!」

「ずっと前から変わってませんよね、先輩。好きな物を見る目がとてもキラキラしてます」


今は、レクファー邸の一室でみんなで食事を取っている最中だ。シャクヤの言った通り、どれもこれも見るからに美味しそうで、とてもいい匂いのものばかり!

そして実際に超美味しい!やっぱり魔獣の肉は入手難易度高いだけあってかなり美味しいね!


「意外と子供っぽいんですねぇ、ローズちゃん」

「ええ!ローズったらあんなに強くてかっこよくて頼りになるのに、普段はとても幼くて可愛いんですの!」

「ちょ、ちょっとイリア!?」


私、そんな子供っぽいかなぁ?……いやまぁ確かに、リリーの方が大人っぽいとかそういう気持ちはあるんだけど……私が子供っぽいとか自分で一回も思ったことないから……


「ふふっ、あなた達みんなとても仲がいいのね」

「うん!私はちゃんとみんなとあったのは二年前だけど……それでも、みんなとの思い出はいっぱいあるから」

「そういえば……みんなって私とリリーの話って聞いたの?」

「ええ、聞いてますわ。えーっと……峰華?」

「リリー様……紗蘭様?が話してくれました」

「ローズでいいよ。今の私はただのローズ・コフィールなんだから」

「私もリリーでいいよ」


ぐっ……唐突な名前呼び!!オタクとして叫びそうになるぅ!っていうか紗蘭が話してくれてたんだ。

……二人だけじゃないけど、きっと本当のローズ様を知ったらみんな驚くだろうなぁ。


「あら、みんな食べるの早いのね。もう既にお風呂は湧いてるから……先入ってくる?」

「んー……貰おっか!」

「そうだね!それに、みんなでお風呂入るの久しぶり!」

「ローズ様、はしゃぎすぎはダメですよー?」


うん……心当たりがありすぎる。ここに来てからも……来る前も。以前紗蘭の家で泊まった時もはしゃぎすぎちゃったし……なんでだろ。お風呂にそんな効果なんてあったっけな?


それから途中でシンが乱入してきたりとあったけど、私にしては珍しく大人しめに風呂を終えた。……はー、気持ちよかった。


「……すぅ」

「イリアったら、もう寝ちゃったみたいだね」

「イリア様も随分と無茶されてましたからね」

「それを言うならマイもかなり無理してたはずでしょ?」

「私はまぁ……この後お母様と話したいこともありますし」


今は寝室。空き部屋の大きなベッドの上で私達はまた話していた。イリアはすぐに寝た。そして、コンコンと部屋がノックされる。


「マイ、今いいかしら?」

「噂をすればなんとやら、ですね。行ってきます」

「うん、行ってらっしゃい」


シャクヤがマイを呼び出して、部屋には私とリリーとイリアだけがいることになった。


「……ようやく、二人きりになれましたね」

「うん、そうだね」

「私も、先輩に沢山話したいことがあるんです」

「奇遇だね。私もだよ」

「えっと、その……先輩の……ぐすっ、先輩のばかぁ!」

「さ、紗蘭!?」

「なんで、なんで先に死んじゃうんですかぁ!しかも寝ぼけて酔っ払って急性アルコール中毒って!」

「それは……ほんと、我ながらダサい死に方だなぁって思ってるよ」

「私、わたし……どれだけ泣いたと思ってるんですか……押し付けがましいですけど、わたしの光は先輩だけだったんですよ?」

「……ほんと、ごめん。私が先に死んだから……そんなくだらなくて馬鹿らしい理由で死んだから、紗蘭もたくさん苦しい思いしたんだよね。紗蘭と戦ってる時に見た景色。あれを見て……とても、胸が痛くなった」

「でも……また、先輩と出会えて良かったです。先輩がローズ様の中に入ってるって気づいた時、今にでも舞い上がりそうなほど嬉しかった」

「あ、そうそう。紗蘭はいつから私の事、気づいてたの?」


そう言えばと思い、頭の隅に浮かんでた質問をする。

紗蘭はいつから私のことに気づいてたんだろ。


「二年前……初めてお泊まり会をしたあの日、お互いに質問し合ってたじゃないですか」

「してたね、そういえば。後半から段々と限定されたシチュエーションになってきて……」

「以前から、少し疑いはあったんです。あのナンパの時の過呼吸とか、ご飯に対する目付きだとか、その優しさとかが先輩に酷く似ていたので」

「なるほどね……それで、確信したんだ。ローズ様の中にいるのは私なんだって」

「はい、そうです」

「流石紗蘭だね。昔からずっと鋭い」

「先輩が分かりやすすぎるだけですよ。先輩以上に優しくて、子供っぽくて、頼りになる人を私は知りませんから」

「ふふ、嬉しいこと言ってくれるじゃん。……じゃあ、次は私ね。その……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ