決着 その後
「あ、ローズ様……に、お母様!?」
私達は、マイ達が待ってる一つ目の大広間?に行く。
まぁ当然っちゃ当然だけど、マイが驚いている。
「ローズ、勝ったんだね、お疲れ様。後安心して、マイ。今のシャクヤから敵意は感じないよ」
「奥様が負けるなんてぇ……。私、ちょっと戦ってみたいかもですぅ」
「ローズは今疲弊しているのよ。控えなさい、シン」
「冗談ですよぉ。私もお嬢様達と戦ってボロボロですものぉ」
シン……確か狂ってからの記憶で私を使って実験してたよね。イリアとマイが勝ったんだ。なんか、嬉しいかも。あの二人を鍛えたのは私だし。……そうだ、それよりも謝らないと。
「みんな、本当にごめんなさい。私のせいで沢山心配かけて、迷惑かけて」
「はぁ……何言ってんだ?誰も迷惑なんて思ってねぇよ、ローズセンパイ」
「ええ、そうですわ!何せローズは、私達の未来を変えてくれたのですもの。こうでもしないと恩返しにはなりませんわ!」
「ローズ様が無事で何よりですよ」
みんな、優しいな。こんな私を笑って許してくれる。私、この笑顔が大好きなんだな。胸が、暖かくなる。
「ローズ。今日だけは……先輩と後輩でいさせて」
「どうしたの?リリー、急に……抱きついてきて」
「もう……もうっ!先輩、ほんとにほんとに、本当に気づくのが遅すぎです!あと、無茶しすぎです!私、もう二度と先輩に死んで欲しくないです、私のそばからいなくなって欲しくないんです!」
「あ……ごめんね、紗蘭。気づくのが遅くなっちゃって、無理ばっかりしちゃって。大丈夫だよ。もう、私は絶対消えたりなんてしないから。心配させて、本当にごめんね」
……懐かしいな。この温もり。とてもポカポカして、どんな時でも私の心を温めてくれる。そうだよね……紗蘭は、私よりもずっとずっと前から気づいてたから……私が無茶する度に内心とても不安だったよね。
はぁ、本当に馬鹿だよね。私って。
「あと……先輩。伝え忘れてましたけど、ありがとうございます。あなたのおかげで、私も、きっとみんなも、笑っていられてる」
「そんな事ないよ。私だけじゃできなかったことだってある。だから、みんなが笑えてるのは私が一人でできなかった所を、紗蘭が補ってくれてたからだよ。だから……こちらこそ、ありがとう」
「先輩……!!」
こんな、子供みたいに泣いてる紗蘭は初めて見た。
……可愛いな。
「水を差すようで悪いのだけれど、あなた達この後どうするの?あれなら、泊まっていってもいいわよ?……どの口下げて、とも思うかもしれないけどね」
ふと、シャクヤがそう問いかけてきた。レイス達ももう警戒を解いたのか、普通にシャクヤの質問に答えた。
「オレらは普通に帰るな」
「ですね。泊まってくのもあれですし……というか父上がお怒りになられますし」
「そうなんだよなぁ。父上、泊まるなら男だけとかめんどくせぇこと言ってくるんだよな」
「僕もこのまま帰りましょうかね」
「そう、わかったわ。……他の四人はどうするの?」
えっとこれは恐らく泊まるか否か……の質問だよね?だったら泊まってこうかな。今の私、一応行方不明状態だし。こんな事言うのもなんだけど……一日なんて誤差だし。
「私は……泊まっていきます。お母様とまだ少し話したいことがありますし」
「そう言うと思ってたわ、マイ。私も少しあなたと話がしたいわ」
「じゃあ私も泊まる!折角だから、紗蘭も一緒に泊まろうよ!」
「……はい、先輩が泊まるなら私も泊まります」
「でしたら私もご一緒しますわ!」
「全員泊まってくのね、わかったわ。……シン、部屋空いてるわよね?」
「一応空いてますねぇ」
……ラスボスの屋敷でお泊まり会?