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主人公の気持ち その一


遡ること、少し前。多少押されつつも、私は影の私に善戦していた。


「実力同じなんだし、やるだけ無駄なんじゃない?っていうか……正直な話、剣持ってない分まだ私に部があるからね」

「!……」

「?狙いを変えた……って、ローズ!?」


途中で影の私は何かに気づき、私から狙いを逸らす。そして影の私が向かっていった方を向くと、地面に倒れた先輩がいた。……まずい!先輩が!


「くっ……このっ!」


影の私を倒せたはいいものの……やり過ぎた。強化倍率を上げすぎた。ちょっと足が痛い。でも、良かった。間に合った。


「リリー様、僕の方も終わりました。ってローズ様!?」

「とりあえず……急いで保健室まで運ぼう。私、先行くね」

「はい、わかりました」


私はローズを抱えて、急いで走って保健室まで行く。ゲームの仕様なのか、はたまた違うのか保健室には先生がおらず、好きに使っていいので、ベッドにローズを寝かせる。


「先輩……」


今思えば、本当にびっくりだよなぁ。先輩が亡くなったって知って喉と涙が枯れるほど泣いたのに、まさかまた再会できるなんて。……まぁ、こっちの世界も大変だけどね。


ローズに先輩が転生したと確信したのは、今から二年前のお泊まり会。私が質問ゲームと題したただの探りを入れるためだけのものだ。……いや、ずっと前から疑問に思ってはいた。私の知らない行動の数々。それから口調に性格。何もかもが先輩だった。


それから少しして、ジークも来た。



「……っ!」

「ローズ様!?」

「え!?」


先輩は目を覚ましたのだが……何故か私のほうを見るや否や攻撃してきた。……え、待って?なんで?いや、ギリギリで凌げたけど……


「あっ……ごめんね、リリー。ずっと、迷惑かけてたよね。私の事嫌いなのにそばに居てくれてありがとう」

「ちょ、ちょっと待ってローズ!私ローズの事嫌いなんて言ってないよ!?」

「……嘘なんてつかなくていいよ。素直に、嫌いって言って私から離れていけばいいだけ。ごめんね、やっぱり私から離れる事は出来ない。だから……もう一回、言ってよ。嫌いだって。もう二度と関わらないでって。そして……私から、離れていってよ」


……こんな先輩、初めて見た。それに、なんなんだろう、この気持ち。とても、痛い。胸が、痛い。大好きな人に離れてって言われて。……いや、私はまだ諦めない。約束したから、離さないって。


『ごめんジーク、少し出てもらっててもいいかな。二人だけで話がしたい』

『はい、わかりました。外で待ってるので、また終わったらお呼びください』


よし、ジークは行ったね。


「私、言ったよ。ローズを離さないって」

「それも……嘘だったんだよね?」

「ローズ、私の目を見て。……本気だよ、私は。手足がもげても、瀕死になっても、それでもずっとローズを離さない」

「……信じて、いいの?」


やっぱりアイコンタクトっていうのは大事だね。先輩の目を見てちゃんと話したら、前みたいに先輩の頬が赤くなった。……よかった。何とかなりそうで


「うん、って言うか……信じて?」

「ごめん、リリー。でもやっぱりちょっと怖いよ、信じるのは……」

「じゃあ、信じさせればいいんだよね?この前マイにしたみたいに、さ」

「え?」


安心したら何故か先輩可愛いって気持ちが強くなってきちゃった。だからちょっと……からかっちゃお。


「り、リリー?」

「ふっふっふ……どう?抵抗できないでしょ」

「な、何するの?」


ちょーっとだけ腕を強化して、先輩を押し倒す。


「……んっ」

「ん!?」


ふふ。やっぱり、好きな人とのキスはいつしても幸せだね。……私の初恋が、先輩で良かった。


「どう?これで、信じてくれる?」

「う、ん……信じる」

次回、物語が大きく動き始めます

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