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悪役令嬢VS影 その二


ちょっと申し訳ない気分になるけど、手足を消してしまえば魔法はもう使えないはず。なら……とりあえずまずは手から!


「右手に水、左手に炎!」

「風雷」

「……わん、つー!!」


二つの槍を投げる。が、向こうの魔法で防がれてしまった。……あちゃー、もう反応されるようになったか。ま、いいや。なら、今度は数で……


「右手に水、左手に風!」


また同じように手に魔力を集め、今度は剣にする。威力は槍よりも低くなるものの、これは自分から突撃してくれるタイプの剣なのでより多く数を出せる。

とりあえず炎と風、両方百本で突撃させる。流石に二百本もあれば一発は当たるはず……!


「剣」

「相殺してきたか……でも、隙ありだよっ!」

「……っ!」


同じように影の私も無数の剣をとばしてそれぞれ相殺してきた。……けど、おかげで隙が出来て水槍を飛ばせた。水槍は右肩を通り抜けて、右肩はすうっと消えた。うーん、なんだろう。この何とも言えない気持ちは……


「影」

「影……?はっ、闇魔法!?しまっ……動けない!」


闇魔法のひとつにこんなものがあった。三秒間だけ影と実体を同化させてその場から動けなくする魔法。前世で言う金縛りのような……あぁそうだ影縫いだ影縫い。見事に影縫いに引っかかって動けなくなったわけなんだけど……どうしよう。多分またすぐ次の攻撃が……


「炎……槍」

「よし、しょうがない!……水よ、我が力を解き放て!」


予想通り、影の私は攻撃をしてきた。しかも、炎の槍とかいう食らったらかなり痛い一撃だ。なので、影縫いを解くのも兼ねて私を中心として水の柱を立てる。

……そういえば。久しぶりに使ったな、柱魔法。


「……闇」

「ぐっ……胸、が……」


柱魔法のおかげで炎の槍と影縫いは防げた。が、次に影の私が撃ってきた魔法により、急に胸が締め付けられる。はぁ……きっちり闇魔法も使いこなせるのか。流石に五属性も使用出来るのは強すぎると思うんだけど?


「はぁ……水よ!」

「闇風」

「ぐ……あぁっ!」


なるほど……また、闇魔法を埋め込まれたのか。しかも向こうが闇魔法使ってくる度にどんどん苦しくなってくめんどくさいタイプの、いわば毒のような魔法。


このままじゃまずいな……ジークも今は戦ってる最中だし、かと言って胸の苦しみは耐えれるようなものでもないし。それに、普通に風魔法も食らったせいで腕もズタズタだ。段々と勝てるビジョンが見えなくなってくけど……とりあえず一歩進展!


「右足、貰い!」

「!?」


水の鎖を地面に潜らせておいた。そして鎖は見事影の私の右足に当たり、右足がすうっと霧が晴れるように消えていった。それと同時、彼女は地面に倒れた。


「ようやく足を消せたけど……これでも安心できないんだよなぁ。さ、次は本命の腕を……」

「闇風雷」

「はぁ、はぁ……苦、しぃ……けど!!」


言葉にもしがたい苦痛が胸に襲いかかってくる。例えるなら胸に槍が刺さったくらいの、とてつもない地獄のような苦痛。さて……耐えたはいいものの、ほんとにかなりやばいんだよなぁ。多分あと二発くらい貰えば意識飛ぶんじゃない?


「かといって、諦めちゃ……ダメだよねっ!!」


地面に膝をついたまま、ボロボロの腕を動かして水槍を空に投げる。そして水槍は降ってきて、影の私の右腕を貫いた。そして右腕は、右足と同じように霧のようにすうっと消えた。……よし、やっとだ。やっと腕を消せた。


「闇え……っ!」

「本当に、片足でもここまで手強いなんて流石ローズ様だよ。片腕にできてもまだ勝てるビジョンが曖昧だ」


腕は傷だらけで火傷もしている。片腕に至っては痺れて感覚がない。頭からも血は流れている。……今の私は今までで一番ボロボロで、もはや行動全てが捨て身だ。確かに、勝てるビジョンは見えていない。けど、不思議と私が死ぬ気も微塵としない。だから、もう全力で……いや、別に手抜いてた訳じゃないけど。もしこれで近い未来死ぬんだとしても、この後意識を失っても、体にかなり負担をかけたとしても……全力で足掻く。足掻いて、勝つ!

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