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悪役令嬢VS影 その一


「……」

「おーっと、いきなり無言で先制攻撃か。まぁ影なんだし喋れないよね~」

「リリー、気をつけてね?油断したらすぐ間合い詰められるから」

「そうですね……少し離れましょうか。巻き込んでしまう可能性が高い。……こっちです!」


先手を打ってきたのは影のリリー。一瞬でリリーの目の前まで迫ったけど、攻撃は全てリリーに防がれた。

一方でジークは影のジークを私達から突き放そうとしてくれている。


「炎」

「うわっと!……さすがは私。いや、ローズ様だ。かなり魔法がえげつない!……水よ!」

「風」

「ちゃんと強化状態はデフォルトで備わっている、と……めんどくさいなぁ」


私は影の私と魔法の打ち合いをしている。もちろん遠ざけて。……にしても本当に私と攻撃パターン変わらないんだな。これ、もしかして泥試合なんじゃない?

実力は拮抗してるってことだし。


「水火」

「水魔法にも炎魔法にもなる特殊魔法……そういえばローズ様はそんな事も出来たっけ。なるほど、これは私ってよりローズ様との勝負って感じか。……なら尚更負ける訳には行かないね!」


私よりもローズ様の体の使いこなしが上手いの地味にムカつくなぁ。まぁいいよ、炎だろうと水だろうと、切り裂いてしまえば関係ない!


「鎌鼬っ!」

「鎖」

「なら……!」


次に影の私……もうローズ様でいいや。が撃ってきたのは二十本の鎖だ。流石にこれは普通に対処することは厳しい……ので、鎌鼬を二重にして私を囲う球状の結界作って凌ぐ。


「雷炎」

「流石に破られるか。……ほんとにとことん私と同じなんだね……なら、これはどう?」

「……槍」

「な、嘘ぉ!?」


今度は炎魔法の光線のようなものが飛んできた。が……ただの炎魔法ではなく、雷魔法も混合しているだろう。その光線のようなものは鎌鼬に触れると、纏わりついてじわじわと破ってきた。私も反撃に時限爆弾を使うのだが……なんと、爆発するカウントが始まる前に切り裂かれてしまった。いや、そんなことって出来るんだ……


「一体どうやって勝てばいいんだろ」

「炎、波」

「炎の波?……いや、違う!」


ほんっっっっとに必要最低限のことしか喋れないせいで魔法の予測がしづらいな。喋ってくれるだけまだありがたいんだけど……流石に地面から炎が溢れ出てくるのを炎の波とは言わないでしょ。ギリギリ間一髪空に飛んで避けれたけど……普通に危なかったよ、今。


とはいえ避けたところでね。……さて、本当にこれどうしようか。このままだとだいぶマズイけど……念の為確認なんだけど傷はつけれるんだよね?試しに一回、魔力多めで水槍を……


「水よ、我が手に集え……えいっ」

「……ぐっ」


水を手に集めて、魔力で槍の形に変形させてそれを掴み投げる。これもこの前の炎槍と同じく水槍・改とでもしておこうか。速度重視でとにかく早く投げる。

流石のローズ様でも反応する間もなく槍が頬を掠めた。いや……貫いた。


「……きゃっ!?頬が……消えた?」


槍が当たったところの影が、すぅっと消えていった。

いや……怖いな!影とはいえ綺麗に再現されているから、本当にただ頬が欠けたローズ様みたいになってる。……ん?これ、もしかして攻撃を当てたところは消えるんだとしたら、手足を消してしまえば……意外となんとかなる?

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