表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/37

次の町へ向けて


魔族との戦争があってから数日たった。

もちろん、完全に町が戻ったわけではない。

特に露店街は今でもいろんなところが壊れている。

一瞬とは言え、魔族の攻撃を受けたのだから。


ただ、アザレアのおかげで大部分の攻撃は防ぐことができようだ。

町の大半は、まったく損傷していないように見える。


そして今は宿屋で朝ごはんを四人でのんびりと食べていた。


「そろそろこの町も見飽きてきたわね」

「そうですか?私はこの国がとても美しいので大好きですけど」

「美しい国であることには変わりないのだけど……やっぱり飽きた」


アザレアとマツリは朝ごはんを食べながら話している。

僕も確かにそろそろ飽きてきたかも。

ロイに一応聞いておこう。


「ロイ、次のいく町は決まってたりするのか?」

「うーん、町はいっぱいあるけど、そこまで行きたいと思う町は無いかな……」


その返事を聞いたアザレアは顔を膨らせながら責める。


「バトラーなんでしょ~。なんかいい場所に連れて行きなさいよ~」

「あのなぁ……人間の国と言えども、こんないい国ばかりじゃないんだ。選ぶ俺の気持ちもわかってほしいけどな」

「むー」


アザレアも自分の魔界のことを思ったのか、何も言い返せない。

そりゃ、どこの国も同じもんか。

治安のいい国もあれば、治安の悪い国もある。

人間も魔族も大差ないようだ。


そんな話をしていたら、宿屋の扉が開く。

僕たちは全く気にせずご飯を食べながら話していたが、一人の青年が僕たちの元に歩いてきた。


「探しましたよ」

「……あんたか」


僕はとっさに言葉が出てしまう。

シズクだった。

そしてシズクは僕の方に先に頭を下げる。


「以前のやり取り、大変失礼した。まずはそれを謝りたく」

「急にどうしたんだ?」

「今回の一件を長老から聞かせていただいた。後ろのメイドのお二方にかなり助けていただいたと」

「まぁな」


僕は何もやっていないものの、冷たく返事をしてしまう。

……お前から受けた、脇腹をケガは忘れていないぞ。

その返事を聞いたシズクは少し苦笑しつつも再度、深々と頭を下げる。


「許してくれとは言わない。ただ、あなたの大切なお仲間を侮辱した件、それだけは本当に謝りたかったのだ。すまなかった」

「別にいいさ。仲間が傷づいたわけじゃない。あとそこまで謝ってくれたんだ。水に流そう」

「ありがとう」


シズクは頭をあげる。そしてマツリとアザレア、ロイの方を向いて再度頭を下げた。


「あなたのお仲間をケガさせた件、申し訳なかった」

「俺は全く気にしてないから」

「いいわよ。マスターが水に流すって言ってるし」

「私も。マスターさんが良いって言ってるので気にしないでください」

「……」


シズクは黙って頭をあげる。

そして、ほんの少しだけ懐かしそうな目でロイの方を見た気がした。

すぐに僕の方を向く。


「あと、もう一つお伝えしなければならないことが……。今回の一件を中央国家の方にお伝えしたところ、直ちに連れてこいとの命令を受けました」


おいおいまじかよ……。

なんか面倒事に巻き込まれてないか?


「その中央国家が僕たちに何か用なのか?」

「……正直わかりません。本来であれば、命令なので有無を言わさず連れて行かないといけないのですが、一応確認しておこうかと。行きたければ丁重にお連れ致します。行きたくなければ、速やかにこの国から出て頂けるとありがたいです」

「なるほど。一応選べるようにしてくれたんだ」

「そうですね。この町の英雄を中央国家に連行とかバカげてますから」


この人、しれっと毒を吐いてるよ……

僕は他のメンバーに尋ねる。


「どうする?僕としてはどっちでもいいけど」


すると、アザレアが暇そうに話す。


「良いんじゃない。どうせ行く国も決まってないし……バトラー、その中央国家ってのは何かあるの?」

「そうだな。人間の国の中でも恐らく一番でかい」

「でかいだけ?」

「うーん……色々なご飯があるぐらいか。他の国からの物資が一番届くから、色々なものが食べれるぐらいか」

「私、行きたいです!!」


マツリはロイの話しを聞いて、立ち上がってまで行きたいアピールをしている。

うん、話の流れ的にご飯目当てってところが可愛い。

あと、行くかは決まったかな。


「とりあえず、行かせてもらおうかな」

「承知した。では、この宿に中央国家行きの馬車を準備させよう。最後に……」

「まだあるのか」


目の前のシズクは僕の目をしっかり見て聞いてくる。

「あなたのお名前を」

「……ヴァルだ。よろしく」

「アヤメと言います。今後ともよろしく」


僕とシズクは握手をした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ