表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/4

そうだ、悪役令嬢になろう

「怪我も特になく、記憶にも異常がないと聞いているが…大丈夫なんだよな?」


「はい…大丈夫です」


「エリスが無事で本当によかったわ…マリアンなんかエリスが無事かどうか心配で仕事の途中なのに屋敷を出ようとしたんだもの。アレンも勉強の途中なのにマリアンについて行こうとしてね…泣きながら…」


「心配なのだからしょうがないだろう…娘が気を失ったと聞いても仕事を続けているなど父親失格だ!!」


「母様…!!泣いていたのは言わない約束でしょう!!」


「ふふっ…アレンは私が心配で泣いてくれたのね…嬉しいわ。マリアン父様もミシェル母様も心配してくれてありがとう…」


「うむ…」


「ちなみにマリアンも泣いていたわよ」


「それは言わん約束だろう!?」


ルカが私の部屋に来てから1日が経ち…

今は王城の私の部屋に公爵で父親のマリアン、母親のミシェル、弟のアレンが来ている。

仕事や勉強で忙しい中わざわざ王城まで来てくれたのだ…

私はこの世界のエリスの記憶も蘇り始めている。

私は家族全員に愛されているんだ…


乙女ゲームではエリスが4歳の時に母親のミシェルがアレンを出産して亡くなった。しかも生まれたアレンも体が弱く、すぐに亡くなってしまう。最愛のミシェルを失い、アレンも失った公爵はたった一人残ったエリスに愛情が集中し、エリスが何をしても叱らなくなり甘やかすようになった。アレンが亡くなったので公爵の跡取として引き取られた攻略対象の義弟のリオンには冷たくあたって。

そして、エリスはわがままで傲慢に育ち、義弟のリオンやメイドのマイや様々な人に酷い仕打ちをして嫌われていき、学園のパーティーでヒロイン側についた攻略対象の義弟やメイドから復讐をされるのだ。



だが、この世界のエリスは母親も生きていて、アレンも生きている。父親から甘やかされすぎずに、傲慢でわがままではなく優しい性格に育ち、家族3人からの愛を受けている。

この世界のエリスがこのまま暮らしていけば、

ヒロインをいじめることなく王子と結婚して幸せな家庭を築いていたと思う…(この世界のエリスは聖女のように優しいのであのルカでも受け入れていただろう)


それがこの世界のエリスの本来辿るべきルートなのかもしれない。

私もこの世界のエリス同様ルカと結婚する道を歩むべきなのかもしれない。


だけど…ごめんエリス…

私はルカと結婚したくない。

この世界にせっかく転生したのなら自分で好きになった人と結婚したいよ。


私はどうやったらルカから婚約破棄をされるか一晩中考え、そしてさっき思い付いたのだ。


そうだ…悪役令嬢になろうって


わがままで傲慢な態度を取っていたら、王子が私を嫌いになって、王立学園でヒロインと恋に堕ちて婚約破棄されるかなと思ったのだ。


この世界のエリスは周りに優しく接して来て、信頼関係を築いていたが、私が悪役令嬢になることによって、これまでの行い全てが無駄になるだろう…


申し訳ないと思う…だが…今は私がエリスの人生を歩んでいるのだ。

私が歩む人生は自分で決める。

エリス…貴方と同じルートにはのならないよ…




「エリス…??ぼーっとしているが大丈夫なのか??」


「……ん?あっ…あぁ…大丈夫だよ。少し考え事してただけだから!」


「そうか…ならいいが…じゃあそろそろ屋敷に帰るぞ。エリスの元気な様子も見れたしな。」


「そうね、エリス…王妃教育頑張ってね」


「エリスお姉様!王妃教育で忙しいとは思いますが、たまには屋敷に帰ってきてほしいです。

エリスお姉様と飲む紅茶が1番美味しいですので!!」


「ふふっ…そうね」


公爵…いやお父様が部屋を出ていった。


「アレン…ちゃんと帰るわよ。婚約破棄をされてからね」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
https://ncode.syosetu.com/n1893hv/ 「男だけど女性VTuberを演じていたら、現実でメス堕ちしてしまったお話」
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ