時、既に遅し―中編―〜歪んだ笑顔〜
分けているために、これはとても短くなっていますかご了承ください。
「大丈夫か、栗実」
栗実が涙を流していることに気づき、秋奈は栗実に声をかける。
「栗実が気に病む事はない。これは、蓮斗自身の問題だから」
栗実は、ポケット出したハンカチで涙を拭いながら、何度も頷いていた。
しかし、それのせいか、2人は新たな人物が部屋に入ってきていた事に気付かない。
「そうだ。栗実は関係ないさ。これは俺の問題だからな」
「!?」
ベッドに勢いよく座り込み、ノートを拾い上げる。だが、鼻で笑いすぐに放り投げた。
「蓮斗……!?お前、今までどこにいた!」
予想外の人物の登場に、さすがの秋奈も動揺を隠せない。
対する蓮斗は、リラックスして秋奈を見上げていた。
「そんなことどうでもいいよ。だって、俺はやっと分かったんだもの」
そう言った蓮斗の目は、冷めていた。まるで、今まで信じ続けていたものが崩れ去ってしまっているかのよう。
その目は、とても危うかった。
「自分の気持ちを抑える必要なんてないんだ。苦しい事を好き好んでやるなんて、馬鹿げてるよ」
そう言った蓮斗の笑顔は、歪んでいた。
時、既に遅し。
蓮斗は、とっくに反転していた。