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威吹〜私は貴方の所有物〜

喧嘩が終わりを告げたので、恋愛に戻ろうと思います(遅いですか…はい。すいません)

「ここ……マジで南貴の部屋か?」


南貴に肩を支えられたまま、目の前にある空間を見ながら蓮斗は呟いた。

そこはとあるホテルの最上階。テレビで見るような夜景が、部屋の床から天井まである窓から一望出来た。


「おう。俺の部屋だぜ?」

事もなげに答える南貴。


「すげえ……。スイートルームってやつ?」

「いいから入ろうぜ?お互い傷だらけだしな……。お前支えてる内に俺が倒れそうだ」


南貴が本気でけだるそうなので、蓮斗は素直にそれに応じる。実のところ、蓮斗自身も背中が痛んでしょうがなかった。

病院にはいって、2人は正に包帯だらけ。念のために入院を、と言われたが、それを南貴が断り今に至る。


「いつつ……こりゃしばらく学校いけねぇな…」

「だな…」


南貴の言葉に共感しながら、蓮斗はセミダブルのベッドに倒れ込む。南貴は南貴で、フカフカのソファーに倒れ込み、背もたれの部分を倒してベッドにしていた。


「いいな…それ」

「まあな…」


そしてくだらない会話を2つ3つ交わし、2人はいつしか眠りについていった。











「……ん……」


朝の眩しい日差し……。

蓮斗は身を起こし、朝の光を全身に浴びる。


「よう。起きたか」

「……あぁ」


しかし、寝ぼけているのか先に起きていた南貴に話し掛けられても全く違う方向を向いて返事をする。


それを見て笑いそうになる南貴だが、あることに気が付いて蓮斗から目を逸らして、一言だけ言った。


「蓮斗、右」

「は…?んんっ…!」


いきなり蓮斗の声がくぐもり聞こえづらくなる。それはつまり、蓮斗の口が塞がれた事を意味しているのだが……。

その塞いでいる『人物』と、『塞ぎかた』が問題だった。

南貴は、全く蓮斗の方を見ようとはしない。

そのかわり、また一言だけ呟いた。


「そいつ…キス魔だから」


そいつというのはつまり、今正に蓮斗の口を塞いでいる者であって……。


南貴の言葉通り、蓮斗は口付けで口を塞がれている訳で……。


その人物が、特攻服を着ていたりしていたりする。


「……ぷはっ」

「はぁ……?なんで…お前……」

「『お前』じゃないよ。私は威吹」


そう言いながら、またしてもキスをする。寝ぼけているうえに、蓮斗は根本的にキスが弱点なので呆気なく押し倒される。


「……はぁ、喧嘩は強くても、ベッドの上じゃ弱いのかな?」

「……えと」


流石の蓮斗も朝から2度もキスをされれば目も覚める。しかし、展開が展開なだけに状況が把握しきれていない蓮斗であった。


そんな蓮斗に、威吹がさらに追い撃ちをかける。


「蓮斗!」

「は、はい」

「今から、私はあなたの物です!好きにしていいからね!」


言われた瞬間、蓮斗の周りの時間が止まる。が、それもまたしてものキスで打ち破られる。


キスでぼやける頭で、蓮斗が辛うじて理解できた事、それは、どうやら自分はまた厄介事を増やしたらしい事だけだった。


南貴はミネラルウォーターを口に含みながら、蓮斗に向かって手を合わせた。

恋愛というかはちゃめちゃというか…。

指摘あれば、よろしくです

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