勉強〜平和に見えて危なかったり〜
少し平和に戻ります
休み時間。
本来なら授業で疲れた頭を休めるなり、友人と親睦を深めるなり。
そんな感じの時間のはず。
そんな中、蓮斗は…。
「ねぇ、ここはどうやるの?」
「レン君、なんでこうなるのさ〜!」
景と恋に勉強を教えていた。
「おい蓮斗。私の授業で眠るとはいい度胸じゃないか」
「いまだけは勘弁です…。見逃してください」
「駄目だ。頭を上げろ」
「うぅ……」
授業中。秋奈に言われるがまま(若干抵抗はした)頭を上げる。
授業中は勿論のこと、何故か休み時間にまで勉強漬け。蓮斗がこうなるのも無理はなかった。
「それもこれも、テストのせいだ…」
「おいおい、現実逃避もいいが授業を受けてくれ」
「なんで気付かなかったんだろ。ねぇ、レン君」
「知るか。俺に聞くな」
「私は転校してきたばかりだから…」
そう。この3人、テストという学生生活で避けては通れない道が2日後に迫っている事に、今朝気が付いたのだ。
そうなると、必然的に頭の良い人が教えにまわる事になる。
恋と景。実はどちらも馬鹿の部類に入っていたりするので、これまた真ん中の成績をキープしている蓮斗が必然的に教えにまわる。
その結果、蓮斗が多大な精神的ダメージを負うことになったのだった。
表面上は、仲の良い3人組で通るだろう。
しかし、残念ながらこの3人組、かなり複雑な間柄で成り立っていたりする。
それこそ、少し触れただけで崩れ落ちるジェンガのような関係である。
今は、かろうじて互いに知ってはいけない部分を隠し合っているので大事には至っていないが、もし一つ間違えば一瞬にして大崩壊。
冷や汗ものだ。
蓮斗は、非常に神経を擦り減らしながら勉強を続けた。




