蓮斗と恋―前編―〜すれ違い、激突〜
更新、多大に遅れてしまいスイマセンデシタ…。怪我も治ったので、よろしくお願いします。
「お久しぶりです」
「あぁ」
久々の学校、あの時以来会っていない秋奈に挨拶をする。素っ気ない返事だったが、ないよりはましか、と蓮斗は思った。
「恋、おはよう」
蓮斗は隣に座っている恋にも声を掛ける。が、
返事は帰ってこなかった。
「……ごめん」
忘れていた。恋は言ったんだ。『一緒に居たくない』と。
許されるとは思わないが、そう言った。
「…何に?」
「え?」
どうせ無視されると思っていたので、少し驚く。
「…怖がらせたから」
「……来て」
「え?ちょっ…」
恋はいきなり立ち上がり蓮斗の手を掴むと、走りだした。
なんか前にもこんなことあった…。と走りながら思う。
となれば…、あそこしかないだろう。
「……」
やっぱり、と蓮斗は思う。2人が居る場所は、裏庭だった。
「今度は…」
背中を向けたまま、恋は口を開いた。
今、恋はどんな表情をしているのだろう。
「…今度は、この前と違う」
「…何が?」
そこで、恋は蓮斗に向き合った。瞬間、蓮斗に鳥肌が立つ。
鋭い視線が、蓮斗を貫いた。
「『確認』なんて甘い事はしない。今回は、私が貴方から離れるために、戦う」
「…そっか」
予想はしていた。というよりも、当たり前の事だった。起こるべくして起こった出来事。
となれば、蓮斗には断る術も、理由もない。
「…わかった。こいよ」
「………」
あの日と同じように、挑発じみた行動をする。
だが、あの日と違う点は、恋がすぐにかかってこなかった所だった。
何かに縛られたように、けれど必死にそれから逃れるようにして、やっと足を前に踏み出す。
「……恋?」
恋の様子を見て、蓮斗が声をかける。
すると、恋の身体がびくりと震えた。
「……レン君…」
蓮斗に聞こえない声で、恋は小さく小さく呟いた。
弱々しい、そして悲痛さが入り交じった声で。
小さな歯ぎしりが聞こえた。蓮斗には、恋の表情が自分を憎んでいるように見えた。
「…こいよ」
「う……ぅあああああああああ!!!!」
二度目の言葉で、恋は蓮斗に襲い掛かった。
咆哮と共に、恋の目から涙が零れた。
長いので3部から2部に分けます