愛撫〜メノマエノカイラク〜
カテゴリ、追加したほうがいいんでしょうか?
「ん〜……」
蓮斗は大きく伸びをした。隣には、本人よりも嬉しそうな顔をした景。
蓮斗は、今日退院した。
「そういや、随分髪のびたな」
「私?」
ところ変わって蓮斗の部屋。退院したとはいえ、体調が万全ではない蓮斗を気遣い景が連れてきたのだ。
「ああ。大分伸びた」
言いながら、景の髪に手を伸ばす。肩を通り越した髪は触り心地がよかった。
そこでふと、蓮斗は思い出す。
「……どしたの?」
突然止まった蓮斗を見て、景は首を傾げる。と、その拍子に、蓮斗の腕が景の身体を抱き寄せた。困惑する景をよそに、蓮斗は景の耳元で囁く。
「散々やられたからな。…お返ししてやるよ」
同時に、蓮斗は指で景の背中を擦った。
「ひゃっ」
腕の中でビクッと震える身体。続けてもう一度。
「ぅうんっ!」
「ハハッ!相変わらず弱いのな、背中」
笑いながら今度は首筋に優しく爪を立てて、それを縦にスライドさせる。その度に景は声が出てしまう。
すかさずもう一撃、といこうとした蓮斗だったが、景も反撃に出た。
思い切り体重を乗せ蓮斗を押し倒すと、自分の指を口に含み、その指で蓮斗の唇をなぞる。
「怒った…。手加減しないんだから」
「あ、はは…」
前は手加減してたんですか。と蓮斗は突っ込みたかったが、勿論そんな暇はない。何の躊躇いもなく唇は合わさり、ほんの数瞬の間に舌が絡まり唾液が音を立てる。
「ん…ふぅ…んんっ!」
だが、蓮斗も攻撃の手を緩めない。執拗に景の弱点を責め立てる。
気付けば、2人の声は玄関にまで響く程大きくなっていた。
そこにある人物がいることに、2人は気付かない。
「……レン君のバカ…!」
「……も、もう止めよ?その、本気になっちゃいそう…」
「…ああ。」
ベッドに倒れている景に、最後に、と優しくキスをする。
「…ん…ぅん!」
いきなり景の腕が首に絡みついてくる。そして、今までで一番激しいキス。
「……我慢…できないよ。最後まで…しよ…?」
そのまま押し倒される。ぼんやりとした思考で、玄関が閉まる音がしたのを感じたが、それ以上は考えられない。
「……蓮斗…」
今は、景しか見えない。