石の上にハマチ
~異国のスープ~
何にもない
何も知らない
何もわからないんだ 私には
目の前の鳥が どこから渡ってきたのか
朝焼けの空が 幾つの星を抱えていたのか
明日の自分が 何と出会いどう変化するのか
あぁ、わくわくする!
変幻自在な価値観よ 飽きゆくその日まで
~アラサーと時限爆弾~
住んでいたのよ うんと昔
お城があって お庭があって
きれいなお花 かわいい子犬
白いお馬に かっこいい貴方
凛と笑って 私に笑って
「もっと近づきたい」
そう思った時には もう遅い
踏み出した足が 汚したの
ぐしゃりと潰れた草が 泣いていたの
遠くのカラスが 口々に伝える笑い声で
目が覚めた 突然だった 抗えなかった
そう、
住んでいたのよ うんと昔
素敵な夢に 理想の私が
~石の上にハマチ~
食卓 投げ出されたお皿 転がるおしぼり
じたばたと 机の下で暴れ狂う足たち
待てども待てども
料理は来ず 空腹は満たされず 喉は乾くばかり
「もういい!」
しびれを切らした君が退出してから はや三年
食卓 錆び付いたお皿 干からびたおしぼり
じたばたと 机の下で転がる君たち 悔しそう
僕は 雲の上で寝転がりながら
本当にそう思ったんだ かわいそう
かわいそうにね