第七十七話 合衆国西海岸進攻作戦 その6
はい、前回の続きを話します。
映画「戦艦土佐の海軍忍者」では、日本海軍特務陸戦隊の隊長が右腕を負傷した後は、本人は戦うことができないため、隊長は指揮に専念して部下たちが敵を倒していきました。
最後に残ったスパイたちのボスは、第一砲塔に立て籠りました。
自爆して「土佐」を沈めようしたので、隊長は部下に黒人母娘を連れて内火艇で避難するように命じて、一人で第一砲塔に突入しました。
隊長とボスの会話のシーンが印象深いです。
「日本海軍特務陸戦隊、噂だけの存在だと思っていたが、実在したとはな。お陰で俺の計画は滅茶苦茶だ」
「お前に一つ聞きたい。何故、あの黒人の母娘を巻き込んだのだ?」
「ん?ああ、あの黒い女とガキかのことか。俺たち世界を支配する優秀な白人に劣等種族である黒人が奉仕するのは当然だろう」
「貴様!」
「何を怒っている?お前ら日本人は、俺たち白人に代わって世界を支配しようしているのだろう?もし、世界を支配すれば、他の民族を奴隷にするのだろう?」
「俺たち日本人は世界を支配するつもりは無いし、他の誰かを奴隷にするつもりは無い。できれば、友人になりたい」
「友人!?何を綺麗事を言ってやがる!お前は白人だから俺を倒すのだろう!?」
「お前が白人だから、俺はお前を倒すのではない。俺たちが守る人たちの生命・財産・名誉を侵そうとするから、俺はお前を倒すのだ」
隊長とボスの一対一戦闘シーンでは、隊長は手裏剣、ボスは拳銃で戦います。
利き腕である右腕を負傷している隊長が不利でした。
弾丸により左腕・両足を撃たれた隊長は床に転がり動けなくなりました。
ボスはニヤニヤと笑いながら拳銃を隊長に向けます。
「手も足も使えなくなったな。こういうのを日本では『ダルマ』って言うんだったか?ダルマのようにお前の血で真っ赤にしてやるよ」
「お前が何発撃ったかは数えているぞ。その拳銃には一発しか残っていないんだろ?そんなに離れて当たるのか?」
ボスは隊長に近づくと、しゃがんで隊長のこめかみに銃口を押しつけました。
「これなら、絶対当たるだろ?」
隊長はボスの喉元に噛みつきました。
「ば、馬鹿な……」
ボスは首を噛みちぎられて絶命しました。
隊長は死体となったボスに向けて話します。
「昔の任務で拷問されて歯を全部失ってな。金属製の義歯を入れているんだ。こういう場合には役に立つ」
映画のラストでは、日本から迎えのための戦艦「加賀」が来ます。(戦艦「陸奥」の一人二役です)
黒人の母娘は、いろいろと機密を知ってしまったため、日本で保護することなりました。
戦艦「加賀」の艦上で、隊長の側で笑顔の母娘で映画は終わります。
続きは次回に話します。
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