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第七十三話 合衆国西海岸進攻作戦 その2

 はい、前回の続きを話します。


 日本海軍が意図的に合衆国に漏洩したオトリの「パナマ運河破壊作戦」はかなり精密なものでした。


 作戦は、まず潜水艦により日本海軍の特殊部隊である「海軍特務陸戦隊」をパナマに潜入させ、パナマの合衆国陸海軍司令部を強襲、司令官や幕僚を殺害することを目的としました。


 海軍特務陸戦隊は、各鎮守府に所属している特別陸戦隊から人員を選抜した軍令部直属の特殊部隊です。


 合衆国からは「ジャップの海のニンジャ」などと呼ばれており、現在の合衆国のアクション映画では悪役として出ており、日本海軍の軍艦旗をモデルにした紅白の忍装束をまとい、忍刀や手裏剣で戦い、追い詰めれると「テンノー、ヘカー、バンザーイ」と叫んで自爆するという日本人が観たら何とも反応に困るものになっています。


 現在の南部連合国のアクション映画では、日本海軍特務陸戦隊は、逆に主人公側の正義の味方として出ており、隊員は全員美男美女で普段は軍服に銃火器で戦うのですが、なぜかラスボスのアジトに潜入する時は忍装束で、ラスボスを忍刀か手裏剣で止めを刺す時に「テンチュー!」と叫ぶ、やはり日本人が観たら何とも反応に困るものになっています。


 そのような映画になってしまうのは、現在でも海軍特務陸戦隊の詳細については機密になっており、想像で補っている部分が多いからです。


 日本海軍特務陸戦隊が映画では「ニンジャ」になってしまうのは、日本海軍自身に原因があります。


 第二次世界大戦開戦の数年前、日本海軍特務陸戦隊が創隊された時、日本海軍は映画会社に特務陸戦隊の広報映像を製作するように依頼しました。


 しかし、海軍は特務陸戦隊は機密だったため、映画会社に特務陸戦隊の見学は許可せず。資料も何も渡さなかったのでした。


 映画の制作スタッフは何も参考になる物がないのに、映画をつくらなければならなくなりました。


 唯一参考にできたのは噂で聞いた「特務陸戦隊隊員は忍者のように厳しい訓練をしているらしい」だけでした。


 それで、忍者の子孫で現在も忍術を伝承している人が教官として、特務陸戦隊隊員に忍術を教えるシーンを撮影しました。


 このシーンでは忍装束を着ているのは教官だけで、特務陸戦隊隊員は軍服を着ているのですが、この映画の観客は「特務陸戦隊と言えば忍者」という印象を強く持つようになりました。


 完成した映像に海軍関係者は苦笑したらしいですが、何もクレームはせずに映画は公開されました。


 続きは次回に話します。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「確かに得られた情報が「忍者のように厳しい訓練してる」だけだとこうするしかねえよな」 って苦笑いするしかなかったんだろうなw
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