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第六十四話 中華民国 その8

 はい、前回の続きを話します。


 昭和天皇は陸軍の一部が満州の現地部隊をかばう動きをしたのに激怒しましたが、昭和天皇は具体的に彼らを処罰するような指示を出しませんでした。


 昭和天皇ご自身は自らを「立憲君主」であると規定していたからです。


 それに対して陸軍は陸軍大臣を辞任させ後任を陸軍から出さないことで内閣を潰そうとしました。


 内閣を潰すことで事件を有耶無耶にしてしまおうとしたのです。


 昭和天皇はますます激怒し、陸軍には自浄能力が無いと判断しました。


 そして、昭和天皇は自らを規定していた「立憲君主」の枠から少しはずれた行動をしました。


 当時の内閣総理大臣が皇居に密かに参内し、昭和天皇と密談したとされています。


 当時の首相は退役した元陸軍将官でした。


 陸軍が陸軍大臣の後任を出さないのを逆に利用して、首相が後任の陸軍大臣を兼任しました。


 もちろん、陸軍は抵抗して、陸軍参謀本部は首相に対して「統帥権干犯だ!」と言い立てました。


 陸軍参謀総長は皇居に参内しようとしましたが、昭和天皇は面会を拒否をしました。


 それだけではなく、この問題の仲裁に立つことで政治的な得点を得ようとした海軍大臣と海軍軍令部総長の参内も昭和天皇は拒否しました。


 昭和天皇は陸軍に対しても海軍に対しても、首相を通さなければ話を聞かないことにしたのでした。


 法律で明文化されたわけではありませんでしたが、「後任を出さないことで内閣を潰す」ことは事実上「禁じ手」になりました。


 満州の現地部隊の将校は軍法会議にかけられ罰せられることになりました。


 満州については日本の利権を守るための日本軍の駐留は続けることにしましたが、傀儡国家を建国することは国策として放棄しました。


 日本にすでに併合していた朝鮮半島については、「緩衝地帯」から「緩衝国家」にするために「韓王国」として独立させることにしました。


 韓王国独自の政府組織や軍隊を整備するための準備期間を必要としました。


 当然、韓国人を官僚や軍人として養成するための指導役は日本人でした。


 合衆国政府は「日本は朝鮮半島を独立させると言いながら事実上の傀儡国家にしようとしている」と非難しましたが、事実無根と言うべきでしょう。


 当時の韓国人には近代国家を運営するために必要な多数の人材はおらず。指導するためには日本人を送り込むしかなかったのです。


 合衆国自身がフィリピン独立のために多数の合衆国人を送り込んでいるので説得力はゼロでした。


 続きは次回に話します。

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