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第五十九話 中華民国 その3

 はい、前回の続きを話します。


 マッカーサーの計画は、フィリピンを独立国とし、その事実上の「王」となることでした。


 もちろん、マッカーサーは周囲の誰にも家族にも自身の計画を話しませんでした。


 計画の最初にマッカーサーがしたことは、古巣の合衆国陸軍に密かに手を回してフィリピンの独立を陸軍内部の多数派の意見にしようとしたことでした。


 元々合衆国陸軍は、南部連合国を第一の仮想敵国としていて南部連合国との長大な国境線に大兵力を張り付けなければなりませんでした。


 そのため合衆国陸軍は、フィリピンの防衛にはあまり兵力を割けず、治安維持のための軽武装部隊を駐留させているだけでした。


 日本軍が本格的に侵攻した場合、短期間でフィリピンが攻略されることを非公式ですが合衆国陸軍は認めていました。


 そのため合衆国海軍もフィリピンにはあまり艦艇を駐留させませんでした。


 一応フィリピンに軍港は設けていましたが、合衆国陸軍が防衛できないのであれば、本格的な拠点としては使えないからです。


 そこでマッカーサーは「フィリピンを独立国にしてしまった方が合衆国陸海軍の負担は減る」という意見が広がるようにしました。


 もちろん、マッカーサーが発信元とは知られないようにです。


 合衆国陸海軍では「フィリピン独立論」が主流になって行き、政治家たちも同調する者が多くなって行きました。


 それに合衆国政府部内で一番反対したのが、国務省でした。


 国務省は「中華民国との交流の拠点としてフィリピンは確保しておくべき」と考えていました。


 それに対してマッカーサーは「フィリピンが独立国となっても経済援助・軍事援助で合衆国に縛りつけてしまえば問題ない」という話を広めました。


 結局、フィリピンの早期独立を合衆国政府は方針としました。


 フィリピン独立のための官僚組織・軍組織の育成のため、合衆国本土から多数の官僚・軍人が顧問団として送られました。


 顧問団の団長となったのはフィリピンについて最も詳しいマッカーサーで、肩書きは「最高顧問」となりました。


 顧問団の団員たちは能力がありながら出世競争で敗れた者や合衆国本土では既得権が邪魔をして自身の構想が実現できなかった者などが多かったのでした。


 マッカーサーは彼らに自由に仕事をできる場所を与えたのでした。


 マッカーサーたちの手によりフィリピンは変化していきました。


 フィリピンは経済的に成長し、フィリピン独自の軍隊も増強されました。


 続きは次回に話します。

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