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第三十一話 日本対合衆国 その16

 はい、続きです。


 南雲提督対スプルーアンス提督の第二ラウンドは、結果から言ってしまうと南雲提督の勝利でした。


 南雲提督はスプルーアンス戦隊の日本海軍戦艦部隊への雷撃を阻止することに成功したのでした。


 しかし、南雲戦隊はスプルーアンス戦隊を迎撃するために次発装填した魚雷を使わねばならず。


 南雲戦隊は魚雷を使い果たしてしまい。合衆国海軍戦艦部隊への雷撃は不可能になりました。


 合衆国海軍戦艦部隊は「モンタナ」の戦線離脱により戦況は不利になっていきましたが、なおも戦闘を継続しようとしました。


 しかし、オアフ島から発信された一通の電文が戦況を変えました。


 日本海軍機による空襲によりオアフ島にある合衆国海軍の燃料タンクが壊滅的な打撃を受けたという電文でした。


 この報告を受けてキンメル提督は戦闘をただちに打ち切りハワイから合衆国西海岸への合衆国太平洋艦隊の撤退を決断しました。


 このキンメル提督の決断については現在においても批判が多いです。


 合衆国太平洋艦隊は戦艦十一隻がいまだに戦闘可能であり、撤退の判断は早すぎたというものです。


 しかし、私はこのキンメル提督の判断は正しかったと考えます。


 合衆国太平洋艦隊の消費する燃料は莫大であり、日本海軍との戦艦部隊との戦いに勝利したとしてもオアフ島の燃料タンクを破壊されたので、戦艦部隊は燃料不足でハワイで立ち往生という事態になりかねませんでした。


 日本海軍戦艦部隊を壊滅させたとしても空母部隊と上陸船団は健在であり、ハワイ諸島の失陥は避けられないとキンメル提督は判断したのでした。


 戦艦部隊を温存するために撤退を決断しました。


 合理的には正しい判断だと思いますが、ハワイ諸島を守備する合衆国陸軍にとっては悪夢でした。


 ハワイ諸島の合衆国陸軍は制海権・制空権を日本軍に握られ孤立無援になりながらも勇戦敢闘しましたが、ハワイ諸島には日章旗がひるがえることになりました。


 合衆国陸軍が「キンメルの史上最悪の裏切り」と呼ぶ出来事により、ただでさえ悪かった合衆国陸軍と海軍の関係が悪化しました。


 それにより、南部連合国に対する合衆国陸海軍の戦略の違いによる対立がいっそう激しくなりました。


 さて、南部連合国は日本とドイツが合衆国に宣戦布告した後も中立国のままでいました。


 合衆国政府としては日本とドイツを屈伏させてしまえば、南部連合国は簡単に再併合できると考えていたので、この状況を歓迎していました。


 合衆国海軍も日本海軍との決戦を重視していたので政府と同意見でした。


 しかし、合衆国陸軍は南部連合国への先制奇襲攻撃を主張していました。


 次回より南部連合国対合衆国について話す予定です。

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