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第二十九話 日本対合衆国 その14

 はい、前回の続きを話します。


 南雲提督は自軍の魚雷が射程距離が合衆国海軍の物にくらべれば超長距離であることは分かっていましたが、遠距離雷撃をするつもりはありませんでした。


 戦前の演習では、遠距離雷撃をしてもほとんど回避されてしまいました。


 そのため南雲提督は「回避困難な近距離まで敵戦艦部隊に近づいて雷撃する」を基本方針としていました。


 それに対して、スプルーアンス提督は「日本の水雷戦隊は酸素魚雷の性能を生かして、戦艦部隊に遠距離雷撃を行うに違いない」と予測していました。


 そのため、合衆国戦艦部隊からかなり離れた位置で南雲水雷戦隊を迎撃しました。


 南雲提督が座乗する巡洋艦「愛宕」とスプルーアンス提督のする巡洋艦「インディアナポリス」の砲撃で、二人の対決は幕を開けました。


 二人が率いていたのは、どちらも水雷戦隊でしたが、魚雷は戦艦部隊攻撃のために「温存」するのが双方の方針でした。


 南雲提督はスプルーアンス戦隊を突破して、雷撃するために合衆国海軍戦艦部隊に接近しようとしており、スプルーアンス提督の方は南雲戦隊を撃破して味方の安全を確保してから日本海軍戦艦部隊に雷撃しようとしていました。


 南雲提督の方針が「攻撃的」、スプルーアンス提督の方針が「防御的」だったと言えるでしょう。


 南雲戦隊はスプルーアンス戦隊をなかなか突破できませんでした。


 ここで、南雲提督は方針を変更、スプルーアンス戦隊を雷撃することにしました。


 日本海軍は他国の海軍と違い魚雷の次発装填装置を持つので、海戦で二度の雷撃が可能でした。


 しかし、次発装填には時間が掛かるので、重雷装艦「北上」「大井」の魚雷は温存しました。


 南雲戦隊の雷撃にスプルーアンス提督は意表を突かれました。


 南雲戦隊は自分たちと同じで戦艦部隊攻撃のために魚雷は温存すると考えていたからです。


 合衆国海軍は日本海軍が次発装填装置を保有している情報はつかんでおらず。「北上」「大井」も旧式化した軽巡洋艦としか思っていませんでした。


 南雲戦隊が発射した魚雷はほとんどが当たりませんでした。


 これが夜戦であれば、スプルーアンス提督は魚雷発射に気づかずに回避する間もなく被雷していたでしょうが、昼戦のため魚雷発射に気づいたスプルーアンス提督は全艦隊に回避を命じたからです。


 しかし、これこそが南雲提督の狙いだったと言えます。


 スプルーアンス戦隊は回避したために南雲戦隊を阻止することができず。南雲戦隊は突破に成功しました。


 そして、日本海軍が長年に渡って夢見た合衆国戦艦部隊に向けての雷撃を「北上」「大井」が実行しました。


 時間ですね。


 続きは次回にお話します。

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