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第二十五話 日本対合衆国 その10

 早速、前回の続きをお話します。


 戦艦「大和」に搭載された対空レーダーが探知した情報は上空にいる戦闘機隊にただちに報告されました。


 戦艦「大和」の艦内にある電探室は、初歩的な航空管制室になっていて、そこにいる航空管制官の「指示」に防空戦においては戦闘機隊は従うことになっていました。


 しかし、これの実現には紆余曲折がありました。


 レーダーによる防空戦に興味を持ったのは日本陸軍が先でした。


 本土防空を任務とする陸軍は、地上に設置したレーダーと戦闘機隊が連携することで防空戦を効率的にしようとしたのでした。


 当初は、戦闘機に載せた国産の無線電話機が地上とまともに交信できず。


 ドイツや南部連合からの輸入品で当座はしのがなければなりませんでした。


 国産の無線電話機が改良され、機材が揃っても問題はありました。


 演習において、地上の航空管制官の指示に戦闘機のパイロットが従わないという事例が続出したのでした。


 航空管制官はたいていパイロットよりも階級も経験も下だったので、ベテランのパイロットほど指示に従わない傾向が強かったのです。


 それで公式に「航空管制官の『指示』に従うように上官が『命令』をする」ことになりました。


 日本海軍では陸軍のこの防空システムを艦隊防空用に手直しして導入しました。


 陸海軍合同航空隊があることで陸海軍での情報共有は円滑でした。


 さて、ハワイ沖での防空戦に話を戻します。


 日本海軍の戦闘機は零式艦上戦闘機、いわゆる零戦で、合衆国海軍の戦闘機はF4Fワイルドキャットでした。


 この頃の零戦はワイルドキャットを圧倒しており、レーダーによる的確な誘導もあり、合衆国攻撃隊のほとんどを殲滅しました。


 しかし、少数は生き残り日本の空母を目指しました。


 艦上爆撃機ドーントレスと雷撃機デヴァステーターは空母に接近しようとしましたが、空母に随伴する戦艦の対空砲・対空機銃に全機撃墜されました。


 空母を護衛していた戦艦「大和」と金剛型戦艦四隻は対空砲・対空機銃が多数設置されていました。


 戦艦「大和」は計画では四基搭載する予定だった副砲を二基に減らし、副砲を設置する場所だった左右両舷に対空砲を設置しました。


 戦艦「大和」と金剛型戦艦四隻は「防空艦」としての任務を果たしたのでした。


 さて、次は合衆国海軍空母機動部隊に向かった日本海軍攻撃隊についてお話します。


 合衆国海軍も対空レーダーを持っていましたが、戦艦にくらべて艦橋が低い空母や巡洋艦に設置していたので、日本海軍にくらべると探知距離は短かったのでした。


 続きは次回にお話します。

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