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第二十四話 日本対合衆国 その9

 はい、では早速前回の続きをお話します。


 日本海軍連合艦隊と合衆国海軍太平洋艦隊は双方が飛ばした索敵機がほぼ同時にお互いを発見しました。


 そして、山本提督もキンメル提督も指揮下にある空母機動部隊に敵空母への攻撃を命じました。


 山本提督は「航空主兵主義者」であり、キンメル提督は「大艦隊巨砲主義者」でしたが、奇しくも同じ命令を出しました。


 両者とも「制空権の獲得」が重要という認識では一致していたのです。


 小沢提督が指揮する空母は「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」「翔鶴」「瑞鶴」の六隻。


 ハルゼー提督の指揮する空母は「エンタープライズ」「ヨークタウン」「ホーネット」「サラトガ」「レキシントン」「ワスプ」の六隻。


 空母の数は同じですが、合衆国空母の方が搭載機数が多いので合衆国側がやや有利の状況でした。


 お互いをほぼ同時に攻撃隊を発艦させ、ほぼ同時に敵空母機動部隊の上空に到達しました。


 しかし、お互いの空母機動部隊の陣容には大きな違いがありました。


 小沢艦隊には、戦艦「大和」と金剛型戦艦四隻「金剛」「比叡」「榛名」「霧島」が空母の護衛として随伴していました。


 それに対してハルゼー艦隊には戦艦は随伴していませんでした。


 これは航空主兵主義者である山本提督と大艦巨砲主義者であるキンメル提督の違いでしょう。


 山本提督は空母こそが「主力」と考えていて、小沢艦隊に戦艦「大和」と金剛型戦艦四隻を護衛として随伴させることを当然と考えていました。


 ですが、キンメル提督は戦艦こそが「主力」と考えていたので、戦艦を空母に護衛として随伴させるという発想そのものがありませんでした。


 実際問題として、キンメル提督の指揮下にあった戦艦のほとんどは最高速力二十一ノットの低速戦艦で、唯一「モンタナ」だけが最高速力二十八ノットでしたが、速力三十ノット以上の空母と行動するのは難しかったでしょう。


 戦後、ハルゼー提督は「戦艦に空母の護衛をしてもらおうとは考えていなかった。もしも速力三十ノットの戦艦が当時の我が艦隊にあったら空母と一緒に行動してもらっていたが、ほとんどが低速戦艦で『モンタナ』でも空母と一緒に行動しては足手まといになると考えていた」と語っています。


 日本側も空母に随伴したのは速力三十ノットの「大和」と金剛型戦艦四隻だけで、他の戦艦七隻は別行動になっていました。


 日本海軍が戦艦を空母の護衛として随伴させたことの効果は初戦から明らかになりました。


 戦艦「大和」の前檣楼の高い位置にある対空レーダーが遠距離で接近する合衆国攻撃隊を探知したのでした。


 それにより時間的余裕を持って小沢艦隊の戦闘機隊は敵に対応することができたのでした。


 では、この続きは次回にお話します。

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