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第二十一話 日本対合衆国 その6

 はい、話を始めます。


 合衆国議会と国民の要望を受けて、合衆国海軍はアイオワ級戦艦の建造を中止して、モンタナ級戦艦の方を優先して建造することを決定しました。


 当初の計画では、日本の大和型戦艦四隻に対抗するためモンタナ級戦艦を四隻建造する予定だったのですが、二隻の追加建造が決まり合計六隻が建造されることになりました。


 その理由は、日本がドイツに四十六センチ砲を提供して、ドイツが四十六センチ砲搭載戦艦二隻、ヒンデンブルグ級を建造するとの情報を手に入れたからでした。


 モンタナ級戦艦は横幅がパナマ運河より広く、パナマ運河を通行不可なため合衆国の太平洋側・大西洋側の移動に時間がかかります。


 そのため、ドイツの四十六センチ砲搭載戦艦二隻に対抗するために、二隻を追加建造することになったのです。


 合衆国海軍は、日本海軍の大和型四隻に対抗するためにモンタナ級四隻を太平洋側に配備し、ドイツ海軍のヒンデンブルグ級二隻に対抗するためにモンタナ級二隻を大西洋側に配備することにしました。


 しかし、ドイツ海軍のヒンデンブルグ級戦艦は完全な欺瞞情報でした。


 日本海軍が四十六センチ砲のサンプルをドイツに提供して、ドイツの造船技術者が四十六センチ砲搭載戦艦を設計したのは事実でしたが、これは研究を目的としており、実際には建造することはありませんでした。


 設計図の一部をわざと流失させたりしたので、合衆国海軍は欺瞞情報に完全に引っ掛かり、ありもしないヒンデンブルグ級戦艦二隻に対抗するためにモンタナ級戦艦二隻を大西洋側に配備することになったのでした。


 日本とドイツが協力してこのようなことをした理由は、合衆国の生産力に負担をかけるためでした。


 強大な生産力を持つ合衆国といえども巨大な戦艦や空母を建造するのには時間が掛かります。


 平時には軍事予算は制限されているので、モンタナ級戦艦を建造することで他にしわ寄せが行ったのです。


 具体的には合衆国海軍空母艦載機の予算が削減され、新型機の開発にも影響が出ました。


 それに、日本・ドイツ・南部連合国の枢軸国としてはパナマ運河通行可な高速戦艦アイオワ級の方が戦略的にはモンタナ級より脅威に感じていたので、戦わずしてアイオワ級を「撃沈」したことは「大成功」と考えていました。


 さて、枢軸国でも大艦巨砲主義者と航空主兵主義者との間で「航空機で戦艦を撃沈できるか?」の議論が盛んでした。


 そして、総合戦略研究所の結論は「その議論に意味はない」でした。


 詳細については次回にお話します。

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