第十五話 ドイツ対イギリス その7
はい、早速、前回の続きを話させていただきます。
ドイツ政府がイギリス政府に対してした「一年間限定の休戦」をイギリス政府は受け入れました
受け入れた理由はイギリス政府は「日和見」をしたのでした。
イギリスに対して合衆国は国力が大きく、特に資金面でリードしており、イギリスは合衆国から借金をしなければ国が立ち行かない状態でした。
戦争が合衆国を盟主とする連合国の勝利で終われば、借金の返済でイギリスは合衆国に完全に頭が上がらなくなります。
イギリスはそれは分かっていましたが、中立は許されず。ドイツの味方をすれば共倒れになると判断したので、連合国入りを選択したのでした。
ドイツ政府はイギリス政府に対して次の秘密の提案をしました。
「一年間の休戦を受け入れてくれれば、一年後枢軸国が勝利していた場合、イギリスに対して領土も賠償金も求めず。戦後設立する欧州経済統合機構にイギリスの加盟を認める」
「欧州経済統合機構」とは、欧州諸国での関税の撤廃などで経済的な統合を進めることを目的としており、統一通貨の制定なども計画しています。
これにより「欧州は一つの家」となるのです。
イギリスは政府は、一年間の休戦の後、枢軸国が勝てば欧州経済統合機構に加盟することで、欧州の大国としての地位を維持することができ、連合国が勝てば合衆国が主導権を持っていてもイギリスは欧州における合衆国の代理人としてある程度の地位は得られます。
そのように判断したイギリス政府は「一年間の休戦」を受け入れました。
もちろん、イギリス政府は本心は表に出すことはなく「イギリス本土の国民を飢餓から救うため」と発表しました。
合衆国政府はイギリス政府の本心を推察しましたが、休戦を認めました。
合衆国海軍は主力を日本海軍との戦いに投入しなければならなかったからです。
枢軸国最大の海軍を持つ日本を潰してしまえば、ドイツ海軍は敵ではなく、大西洋を渡って欧州に大規模な陸軍部隊を合衆国は上陸させるつもりでした。
さて、ここからは日本対合衆国について話をします。
まずは、合衆国陸海軍について話をしましょう。
合衆国陸軍の第一の仮想敵国はもちろん南部連合国でした。
両国を隔てる長大な国境線に大規模な陸軍部隊を張り付けておかねばならず。
合衆国の国家目標は「南部の併合による再統一」なので合衆国の軍事は陸軍が優先される傾向がありました。
それに対して合衆国海軍の第一の仮想敵国は日本でした。
ハワイ・フィリピンなど太平洋にある合衆国領土を日本海軍の脅威から守るために海軍の増強が必要であると主張しました。
合衆国で陸軍と海軍が仮想敵国が違うことが問題を引き起こすことがありました。
それは……。
あっ! 時間ですね!
この続きは次回にします!
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