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第十話 ドイツ対イギリス その2

 さて、ドイツ海軍についての話を続けます。


 ドイツ海軍は潜水艦優先を方針としたので潜水艦艦隊司令長官であるデーニッツ提督の権限は大きくなりました。


 これに、海軍総司令長官であるレーダー提督は不満を持っていたと言われています。


 レーダー提督はもともとは典型的な大艦巨砲主義者でしたが、日本海軍との交流により航空主兵主義者へと変わっていました。


 日本海軍が正規空母六隻を集中した第一航空艦隊を設立したように、ドイツ海軍も空母機動部隊を持とうとレーダー提督は尽力しました。


 しかし、問題は山積でした。


 潜水艦優先となったドイツ海軍では、空母の建造そのものがなかなか認められず。グラーフ・ツェッペリン級二隻がようやく認められました。


 さらに問題となったのは空母艦載機でした。


 ドイツでは水上機・飛行艇・空母艦載機は海軍の管轄でしたが、ドイツ国内の航空機製造会社にはドイツ空軍が多大な影響力を持っていました。


 ドイツ空軍総司令長官であるゲーリング将軍の政治力によるものでした。


 ドイツ国内では空軍向けの機体の製造が優先され、海軍向けのは後回しでした。


 ドイツ国内での空母艦載機の調達が進まないことで、レーダー提督は日本から直接輸入することを考えました。


 日本との契約は順調に進みました。


 日本製の大型高速輸送船四隻に載せられた日本製の艦載機は日本からドイツに向かいました。


 しかし、高速輸送船四隻はドイツの港に入った直後、触雷して大破着底してしまいました。


 ドイツ海軍の機雷敷設艦による機雷敷設のミスによる事故とされました。


 船倉にあった艦載機もほとんど損傷して使い物にならなくなりました。


 金銭的に多大な損失を出したレーダー提督は責任を取り海軍を辞職、海軍総司令長官にはデーニッツ提督が昇格しました。


 これによりドイツ海軍は完全に潜水艦優先にシフトしました。


 ……というのが当時表向き流れたニュースでした。


 裏では別の話があったのです。


 海軍を辞職したレーダー提督は民間の船会社に就職しました。


 修理した高速輸送船四隻と民間に払い下げられたグラーフ・ツェッペリン級空母二隻をその船会社は所有していました。


 艦載機の調達に失敗したグラーフ・ツェッペリン級空母は、高速輸送船として船会社に払い下げられた……ということになっていました。


 実は、すべては偽装でした。


 高速輸送船四隻は本当は触雷しておらず。船倉の艦載機も無事でした。


 このような偽装工作した理由は……。


 時間になりました。


 続きは次回に!

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