【キミ達がネタだ!体育祭と覗きと冤罪だ!《後編》】
前編と同時投稿です。
ここから今回の事件が始まります。
________時は進み、午前11時。
『午前の競技。五番目は、400m走です。選手の生徒はゲートの方へ移動してください。』
「お、出番みたいだ。」
「茂!頑張ってきてね!」
「おう!」
珍しく熱くなっている茜里に送り出され、ゲートまで移動する。
同じ400mに出る奴らは、俺の顔を見るなり絶望したように下を向いている。
中には『終わった...』といった様子で地面に両手をついてうずくまる奴もいる。
「......(これは、勝ったな...)......」
......まぁ、結果は言わずもがなぶっちぎりの一位だった。
陸上部の面々は、自信を無くしたようで顧問である田中先生に『退部届』と
書かれた紙を泣きながら持って行った。
「...なんて虚しいんだ...勝利とは......。」
また一人黄昏れている俺の所へ、峪嘉達がやってきた。
「おいおい、お前またウチの部員を減らすのやめてくれよ。」
「やめる奴に行ってくれ。俺は悪くない。」
「責任転嫁はやめろ、バカ。」
「まぁまぁ、翼も峪嘉もやめろって。次は俺達なんだから落ち着いていこうぜ?」
「「...はぁ~い...」」
峪嘉達も気合十分といった感じで、目つきがギラギラしている。
「...じゃ、頑張って来いよ。」
「おう!見とけよ茂、絶対に一位でゴールしてやる!」
「おうおう、頑張れ。」
『え~、それでは次の種目に移りたいと思います。
午前の部最後の種目は、男子1500mです。』
「___それでは、位置について、ヨーイ...。」
パァンッ!
スタートを告げるピストルが鳴り、選手が一斉に走り出した。
いの一番に先頭に躍り出たのは峪嘉だった。速いペースで後続をグングン突き放す。
それに追随する形で、翼と秦、高沢の三人が峪嘉の後ろに付いている。
一周目、二周目とその形は崩れなかった。
しかし最後の三週目、この形は大きく崩れることとなる。
三周目に入った途端、翼が三人一直線と形から抜け出し、
峪嘉を単独で追いかける形になる。
二人の距離はだんだんと詰まっていき、ついには一直線に並んだ。
残るはあと数十メートル、先にゴールしたのは......
「勝ったぁーーーーーーーーッ!!」
「負けたぁーーーー...」
峪嘉だった。あと一歩のところで負けてしまった翼は、もの凄く悔しがっていた。
これで午前の競技も終わり、弁当休憩に入った。
親が見に来ている生徒は親が作って来てくれた弁当を。
一人で来ている生徒は教室や校庭で食べるという形だ。
ちなみに俺は......
「____はい、茂。あーん。」
「あ、あーん...。」
「...どう?美味しい?」
「......うん、美味しい...。」
「...!良かったぁ...!」
茜里との昼食を楽しんでいた。今日の弁当は体育祭とあっていつもより数倍豪華だ。
午後の競技が始まる前には、神奈高校チアリーディング部のダンスが入っている。
ウチの三組にはチアリーディング部員が多く、大体の女子生徒が更衣室の中にいた。
そして、それを知っているのは三組の男子生徒くらいである。
何が起こったのか、それはどこにでもあるちょっとした出来心。
そう、『覗き』だ。
どっかの誰か分からんが、うちの女子が着替えている女子更衣室を覗いた奴がいるらしい。
そして、女子たちが犯人だと言っているのは俺達『三組男子』らしい。
そういって憚らないのはうちのクラスの女子で
チアリーディング部部長の『荒川瀬里奈』と副部長の『羽矢美姫』とその他女子だ。
俺がそれを聞きつけ、その場所に着いた時には激しい言い争いが始まっていた。
「何度言ったら分かんだよ!俺らは覗いてねぇッ!」
「嘘よ!確かに峪嘉の後ろ姿を見たもの!」
「だからそれは!ジュース買ってきた帰りでたまたま横切ったってだけだ!」
「そのついでに覗いたんじゃないの!?言い訳すんじゃないよ!」
「おい!ずっと言っているが峪嘉は俺と一緒にいたんだ!覗ける訳ねぇだろ!」
「じゃあアンタも一緒に覗いたんじゃない!?覗き犯は一人とは限らないんだし!」
「ッ!何だと...!!」
「ハーイッ!!言い争いはそこまでッ!取り敢えず状況を整理するから
詳しい情報を教えてくんないかな?」
......女子の言い分を整理すると、私たちが窓の外を見ると男の人らしい顔が見えた。
直ぐにドアを開けて外を見ると峪嘉達らしいの後姿が見えた、らしい。
逆に峪嘉達の言い分は、昼飯用のジュースを買ってきた帰りに更衣室の前を
通りはしたが、全員で追いかけっこをしていたため意識の片隅にもなかった。
この発言で、また一悶着あったがそれは割愛する。
「......双方の意見を見てみると曖昧なものが多すぎる。
女子の方へ質問するけど、覗いてたのは本当に男だったの?」
「そ、それは......だって、現状証拠だけ見たらこうなるじゃない!」
「分かったから落ち着いて。峪嘉達の方は君たちが追いかけっこしていたことを証明できる人、いる?」
「...いないな...そう言われてみると......。」
この問題には不明な点が多すぎる。此処は第三者の意見を聞くべきだな。
「というわけで、君たちに色々聞いていきたいと思う。」
今回話を聞こうとしているのは茜里、真那、流侍、雛ちゃんの四人だ。
「詳しい説明を聞きたいが、まぁ、良いだろう...。」
「学校でも事件なんて起こるんですね!」
「覗きはダメでしょ......流石に......。」
「茂、犯人って本当に三組男子なの?」
「可能性はあるが、はっきり言って低いだろ。」
「何で?だって峪嘉達が...」
「それは状況証拠から見たらだろ?俺が言ってるのは真実の話だ。
ま、大体犯人の目当てはついてるがな。」
「嘘!何もわかってないわよ!?」
女子の反論を掻い潜り、俺の得意な論理展開まで持っていく。
「まぁ、まずは俺の推理を聞いてくれよ_______」
次回もお楽しみに




