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1. はじめての出会い

新作です!

投稿ペースは期待しないでください!



ヴェルミローネ視点です。

一部ナレーション

かつては、魔王が納めていた広大な領土の外れに滅多に人の近づかない樹海があった。

魔王が敗れてから2年くらい経ったある日、樹海の中で一人の少女が行き倒れていた。




余は、このような所で何をしているのだろうか。何とか外に出る事は出来たがこの樹海を彷徨いつづけ、もう手足も動かせそうにない。

このまま死を待つだけなのだろか?


少女は、そっと目を閉じて意識が段々と薄れていった。


「お兄ちゃん誰か倒れているよ?」

「本当だね。」


そう遠くはない所から人の話し声がするがすでに少女は、意識を失い気づく事も無かった。




・・・


「・・・魔王さま、魔王さま起きてください。 朝ですよ。」


そっと目を開けるとそこには、長い耳はさらさらの毛並みで、整った顔と透き通る様な白い肌の兎人族の青年が私を起こしていた。


「ふぁ~ぁ、ブランシュか。 もう少し寝かせてはくれないか?」

「ダメです。 皆、待っていますよ。」

「そうか。」


いつも用意されている着慣れた衣装に着替え、部屋の扉を開ける。

そこには、余が待ち望んだ光景、もう二度と失いたくない眩いばかりの光と多くの声が聞こえて来た。


「「「魔王さま! おはようございます!!」」」

「おはよう!」





・・・

うっすらと目が開く。


「あっ! お兄ちゃん、起きたみたいだよ! パパとママ呼んでくるね!」


何か良い夢を見ていた気がするが思い出せない。

夢の事は、ひとまず置いておくとしてここは何処だ?

どうやらベッドに寝かされている様だが余がおかれている状況を確認する。

見知らぬ天井、そして知らぬ声、余は、何故この様な場所にいるのだ?


ズキンッ!

体を起こそうとした瞬間、激しい頭痛で再び横になってしまった。


「あ、無理をしない方が良いですよ?」


またも聞こえて来た知らぬ声の方を向くと長い耳が特徴的な少年が立っていた。

おそらく、あれは兎人族だろう。


「此処は何処だ? 其方が余をここに連れて来たのか?」

「僕は、ブランシュと言います。 ここは、僕の家ですよ。 貴方が樹海で倒れている所を見つけたのでとりあえず家へ運び、様子を見ていた所です。」


ブランシュ・・・何処かで聞いたような気がするが・・・頭痛で思う様に思いだす事が出来なかった。

とは言え、まずは礼を言わなければな。


「そうか。 迷惑をかけたな。」

「迷惑なんてとんでもありません。」


話をしているとブランシュの家族らしき者達が入って来た。


「お兄ちゃん、パパとママ連れて来たよ!」

「気づかれましたか!」

「具合はどうですか?」

「問題ない、礼を言う。」

「失礼ですが 貴方様は、ヴェルミローネ様ではございませんか?」

「余の名前をしっているのか?」

「当然です! 魔王様の一人娘で10才のお披露目会で拝見させていただきました。」

「ブランシュ達が連れて帰って来た時は、驚きました。」

「なるほど、あの時の観衆からの祝いの言葉、余も嬉しかったぞ。」

「喜んでいただけて幸いです!」

「して、其方達は・・・」

「これは、失礼しました。 私がこの家の主シローと言います。 これが妻のアーカです。 ブランシュは、もうご存知の様なので娘のキルシュブリューテンファルです。」


それぞれが紹介と同時に一礼する。

一つ頷き、余は、気になる事を問いかける。


「其方達は、父上が敗北した事により、住み家を奪われた事は恨んでおらんのか?」

「恨むなど! 魔王様は、民を大切にしておられました! 私共の様な下位獣人にまで優しい方でした。」

「そうか、父上も民に慕われて喜んでいるだろう。」

「それでヴェルミローネ様は、何故あのような場所に?」


シローの問いかけに話して良いものか迷ったがこの者達ならば良かろう。


「勇者一行が攻めいった時に余は、父上の魔法でこの近くの山に飛ばされてな結界で隔離されておったのだ。」

「なるほど、魔王様ほどの結界術ならば魔物に襲われる心配もないと言うわけですか。」

「だが余には、悲痛な声が聞こえてきてな、結界の中で大人しくしておくわけにもいかず、結界を解いて出て来たのだ。」

「なんと!? 魔王様の結界術を自力で解かれるとは・・・さすがは、ヴェルミローネ様。」


ブランシュの家族は、驚愕しておったが話を続けた。


「結界は、生半可な事では、外からも中からもどうする事もできず、それでも民の悲惨な叫びが止む事はなかった。 家を失う者、奴隷として扱われる者、何とかして救ってやりたかったが結界を解くだけでこれほどまでに時間がかかってしまった。 民への謝罪と今は亡き父上の後を継ぎ、魔王領土の再建を決意し、踏み出したのだが情けない事に結界を解いただけで魔力は尽き、あの場に倒れたのだ。」

「お姉ちゃん可哀想…」

「優しいのう。」


余が肩を落としたのを気にしてかキルシュブリューテンファルが頭を撫でてくれた。

両親は慌てていたが手で制する。

余は、少し間を置いて語りかける。


「ブランシュよ、見ず知らずの余を拾い介抱までしてくれた其方の人柄は、疑い様もない。 其方を見込んで頼みがある。 余と一緒に魔王領土再建を手伝ってはくれぬか?」

「これも何かの縁! ブランジュ、ヴェルミローネ様を手伝ってさしあげなさい!」


シローも賛成の様で期待してブランシュの方へと視線を向ける。


「お断りします。」


ええぇぇ~!!?


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