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腐女子の悪役令嬢は復讐を果たせる?  作者: 一条由吏
第4章 皇太子の戦い
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4. 悪役令嬢は調停役

「お前なあ……」


「だって……彼女は大切な友達だもん。いがみ合ったりしたくないわ……」


 メリーを取られるのも嫌だけど、大切な親友といがみ合ったりしたら、先に心が潰れる。


「俺だったらいいのか?」


「鞭を持った彼女に押し倒されてみたいでしょ?」


 ショウコさんにそんな役をやらせようとしたら、どんな報復が待っているかわからない……それはそれで、ゴディバチョフにとってはご褒美なのか?


 でもティアなら、面白がって嬉々としてやってくれるに違いない……


「……むぅ……それは否定しない……」


 否定しろよ……本当に帝国って大丈夫なのかなぁ?


 プレイの最中に死んだら、メリーを皇帝にするために裏で私が画策したと思われるに違いない……


 皇帝の側室候補は、私と違ってどれもこれも美人でなんら瑕疵の無いことから、私がメリーに付いて帝国に行った際に面談することになった……きっと私を前にして平然と面談を受けられない女性が辞退してくることを狙っているのだろうが……


「それで……この戦いはどうするの?」


「きっと、戦場のど真ん中で休戦交渉が行われることになるだろう……その場には、帝国軍大将としてメリーを向かわせることになる……お前も行くか?」


 ああ折角、緑が芽生えてきたというのに10年後に草原になる予定がおじゃんだわ……


「もちろんよ……」


 本来、ここで帝国とロシアーニア国に争いごとがあったときに調停するのが決まりごとになっているのよね……ロシアーニア国に裏切られた私にとっては有名無実なものだけど……どうしても調停役を引き受けざるを得ない……


「心配するな……アレクサンドラに調停してもらうような事態にはならないだろう……偵察部隊によるともうユウヤは謹慎を解かれ、向こうの大将に収まっているそうだ……」


「もちろん、それでも行くわよ。ユウヤはどんな卑怯な手段でも使ってくるのよ……隠し持っていた武器で襲いかかってきても不思議じゃないわ……」


「そうだな。魔族とに戦いでも、『めんどくさい』の一言で名乗りをあげていた大将に切りかかった奴だからな。」


「ゴディバチョフもさっさと本国に戻っておいてね……私は1人しか守れないのよ……」


「俺は大丈夫だ。居ないように見えるが、影の軍団が守ってくれているからな。」


 えっ、隠密があるのか……いいな、それ。


 密かに主を思い続けて、ある日助けた主から優しい言葉を貰って思わず押し倒すのよね……もちろん、主は拒絶をするがその裏の稼業で磨いた性技に陥落する……両思いになるも悲劇が訪れる……主を庇って死んだ隠密の後追い主も……


 そんなストーリーが思い浮かぶ……今度、取材させてもらおう……


 実はロシアーニア国や帝国などの人族の国々で、男同士の妄想を男女の恋愛に仕立て直した官能小説を売りに出しているの……貴族や裕福な家の少女たちに絶大な人気を誇っていて……私の貴重な収入源になっていたりするのよね……


 特に魔王討伐の旅の際に密かに取材した各国の後宮や騎士団をテーマにした後宮シリーズや騎士団シリーズはそのリアリティから王族の作家なのではと噂されるほどなの……これからは帝国で生きていくことになるんだし、ここはキッチリ取材してリアリティを追及しなきゃね……


 私は周囲を見回しながら『鑑定』スキルを使う……本当だわ……凄いこんな狭い部屋なのに壁と天井裏と天井に張り付いている合計3人もの隠密が隠れているのよ……もしかするとメリーを守っている隠密も居たのか……そうすると、あんなシーンもこんなシーンも見られていたというの……


 うわーっ……なんてこと……恥ずかしい……


 ボトっ


 天井に張り付いていた隠密が落ちてきて姿を現した……無意識に睨みつけていたらしい……


「「「………………」」」


 3人の視線が集まっているというのに硬直して動けなくなった隠密……まるで、殺虫剤で一時的に仮死状態になったゴ○ブリのように足をピクピクっとさせている……


「本当に大丈夫なの? ユウヤにも見えるわよ。使い慣れていないから、使うかどうかわからないけど……」


 めんどくさがりのユウヤは、『剣士』としての成長チートスキルを伸ばすのに一所懸命だったが、他のスキルは滅多に使わなかったのよね……精々、使うのは生き物以外何でも出し入れできる『箱』くらいかな……

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