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『クトゥルフ神話系ストーリー』 事象の境界線に立つ少女の記録  作者: S.R.Scarlet
第1章 少女が過ごしたハーフたちとの4年間
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After Story1  ヒトミ・C・エイブラムスが通信傍受で得た情報

カチューシャと別れてから私は高空を飛んでいた。飛ぶことは大した問題ではない。電気の神の末裔である私ならば造作ない。電子レンジの使うマイクロ波で大気を一瞬で膨張させてその力で上昇、後に同じ方法で推進力を得る。現代では摩訶不思議な方法であるかもしれないが、圧縮空気を用いた方法であればエアガンやペットボトルロケットなどで使われる方法だ。通常、高空を飛ぼうものなら自衛隊のレーダーに捕捉されるかと思うかもしれないが、人間1人分の大きさで有ればレーダーにはノイズ程度にしか映らない。ゆえに領空侵犯も好きなだけ行える。そんな誰が聞くわけでもない説明をしながら、私は千葉から受け取った通信を聞いていた。声色から、女性2名が話しているみたいだった。


???「判断に迷うわね。私の姿を見ても顔色一つ変えなかった。むしろ初めて会ったかのような顔をしてたわ。」


???「だが間違いないんじゃないか?他に該当する者はいないだろう。私も会ったが、残るはあのクラスくらいしか考えられないぞ?特に女性となるとかなり絞られるはずだ。」


???「・・・とりあえず見極めることにしましょう。何かの瞬間に垣間見えるかもしれないわ。別働隊が捕獲できればいいのだけど。」


???「そうだな。」


そんな会話が途中で爆発によって途切れて、次に聞こえたのはどうやら私が攻撃を行った時の内容みたいで、


???「何があった!」


???「こちらはすでに限界です!クトゥグアのハーフやその眷属の総攻撃により被害甚大!現時点で坑道E-5とT-1のみが無事でその他は・・・」


通信の間にも爆音が断続的に聞こえていた。するとあの女性の声がして、


???「・・・だめみたいね。作戦は失敗。やはりムーンビーストたちだけでは荷が重すぎたわね。」


??? 「司令官に代わって報告!名前はフンメル!ティーゲル司令官が重傷を負ったため、私がこれより指揮を・・・」


??? 「もう無理よ。別働隊が行った捕獲対象の捕獲にも失敗したのでしょう?これ以上の被害を出すことは許さない。撤退を命令するわ。」


??? 「しかし・・・様はどうするおつもりで?」


??? 「私は大丈夫よ。私の事は心配しないでとりあえずあなたたちはドリームランドに撤退。私は次の作戦を練るわ。」


??? 「わかりました。これより撤退を開始します。」


この会話の後に、司令官らしき女性はこういった。


???「エカチェリーナ・ロストヴァ・・・ここに本当にいるの?もう5年以上も行方知れず。連絡もよこさずに単独行動をとるようなハーフではなかったのに・・・。」


その声は、はっきりとあの名前を口にした。エカチェリーナ・ロストヴァと。7年前の2000年7月に私を支持する町の儀式を邪魔するばかりか、ほとんど全員を殺していった。あの陽目町の戦闘の後、彼女は姿をくらました。彼女の側についていた、マークスマン並みの能力を持っていたメイド・・・その姿もあの日以降消えている。そしてエカチェリーナ・ロストヴァは学校付近にいる可能性が高い・・・そう考えた瞬間、私は彼女を見つけるための作戦を頭の中で構築していた。


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