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『クトゥルフ神話系ストーリー』 事象の境界線に立つ少女の記録  作者: S.R.Scarlet
第1章 少女が過ごしたハーフたちとの4年間
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Story1-7

次に目を開けてみると真っ暗なところに居ました。前も後ろも右も左も一面が黒一色で塗りたくられている世界。そこに私は居ました。


カチューシャ「ここは・・・どこなの?」


???「ここはいろいろな世界が交差する境界。夢と現の境界にある世界。死と生を分け隔てている世界。」


後ろを振り向くとそこには、1人の少女が立っていました。銀色の髪をしていて赤い瞳を持った少女でした。なんだか自分自身を見ているかのような気になりました。


カチューシャ「私は・・・死んだの?あなたはだれなの?」


少女「私はエカチェリーナ・ロストヴァ。そしてあなたは一度死んだわ。」


どうやら私は死んだということで間違いがないみたいでした。ということは私はこれから最後の審判を受けに行くのでしょうか?それとも違う神様がいて、私はまた何かの生物になって転生をするのでしょうか?そう私が思っていると彼女は


ロストヴァ「死んだことは間違いない。でもあなたはまだチャンスがあるわ。生き返るチャンスが。」


生き返るチャンス?どういうことでしょう。死んだものが生き返るという話がないわけではありません。キリストのように生き返ったり、死んだはずの者を生き返らせる奇跡と呼ばれることがないわけではありません。しかしそれは神話の世界のことであり、この世界ではありません。


ロストヴァ「忘れたの?ヒトミ・C・エイブラムスは火の神であるクトゥグアの娘であることを。」


そういえばそうでした。彼女は火・・・厳密には電気の神様の娘でした。ということは・・・。


カチューシャ「私・・・生き返れるの?」


ロストヴァ「もちろんよ。それに、あなたはこんなことでは死ねないはずよ。」


カチューシャ「?」


どういうことかさっぱりわかりませんでした。そんなことを思っていると急に目の前が明るくなりました。


ロストヴァ「そろそろ時間ね。それじゃ、また今度会いましょう!大丈夫よ、私はあなたの夢に現れることだってできるのよ?それにあなたも自分自身の事をそのうち知ることになるわ。それまで青春を謳歌しなさい!ダザーフトラ!」


ダザーフトラ・・・和訳すれば『また明日』という意味になるでしょう。ロシア語には和訳すれば同じ言葉でもロシア語では場面によって違う言い方があるのでそこが少しだけ面倒なのです。『また明日。』そう言って彼女は光の中に消えていきました。光が強くなり、私は瞬間的に目を閉じました。しばらくしておそるおそる目を開けてみると、そこはあの空き地でした。そして目の前にはヒトミの姿がありました。


ヒトミ「大丈夫?」


カチューシャ「あ、ヒトミさん。私は・・・。」


ヒトミ「あなたは一度死んだのよ。でもリヴァイブミードの効果が働いて生き返ったのよ。」


カチューシャ「・・・じゃああの少女もその効果なのですか?」


ヒトミ「少女?どんな少女だったの?普通はすぐに生き返るはずなのよ?」


・・・夢でも見ていたのでしょうか?あの少女は夢に現れることができると言っていましたし、あれは夢だったのでしょうか。そう思っていると、ヒトミは、


ヒトミ「とりあえず助かってよかったわ。こっちの敵も何とか殲滅できたからまたアメリカに戻ることになるかもしれないわ。」


カチューシャ「・・・またすぐに転校するのですか?」


ヒトミ「わからないわ。上からは特に何も・・・」


そう言っていると何かのメロディが流れ始めました。なんだか自動販売機を蹴り飛ばす中学生ヒロインが出てきそうな曲でした。ヒトミはそのまま携帯を取り出して耳に賭けました。


ヒトミ「はい。こちらヒト・・・」


彼女が言い終わるか言い終わらないうちに電話の相手は


???「お姉さま!!なんで私を戦闘に呼んでくれなかったのですか!!私ならお姉さまのもとに数秒もかからずに行けるのにどうして黙ってたのですか!!」


ヒトミ「それは・・・あなたが護衛の役割の予定になるからよ。あなたは私の敵しか相手にしないでしょ?私以外の相手を守り抜いたことなんて1度たりともないじゃない。しかもあなたは・・・」


???「それとこれとは話が別ですわ!!お姉さまにはわからないのですか!!私がどれだけ心配をしたかわからないのですか!!」


ヒトミ「それは・・・」


???「もういいですわ。どうせすぐに会えるのですわ。」


ヒトミ「それはどういうことなの?」


???「今日から東京の当直部隊を任されたのですわ。私とお姉さまの二人が先行部隊員になって指導をしていくことになったのですわ。数年は東京が司令部になることがきまったのですわ。」


ヒトミ「ということは・・・」


???「少なくとも私もお姉さまの高校に転校が決まったのですわ。これは連合の意思ですわ。あと護衛対象を非正規のメンバーに加えておきましたわ。可能性があるということらしいですわ。」


ヒトミ「わかったわ。・・・アメリカ本土はしばらくの間、パラディーナに任せておくことを連絡しておくわ。」


???「ではお姉さま!また今度。・・・あ、そうでしたわ。お姉さまに通信部から渡すように言われた通信がありましたわ。お姉さまに送りますから聞いておいてくださいまし。」


ヒトミ「わかったわ。いったいどんな通信を傍受したのかしら・・・」


そして携帯を切ったヒトミは私の方を向いて、


ヒトミ「もう少しだけあなたに協力してもらうことになったみたい。これからもよろしくね。カチューシャさん。」


どうやら私はまだ大事な何かを減らしながら生きていかなければならないみたいだと、この時の私はまだ悠長にそう考えていました。


というわけで、第1話が終了しました。第2話はいつも通り不定期でしていこうと思っています。1つだけ言うと、私の話は世界観がすべて同じです。時間軸も同じ軸を中心にして回っているので、他の話もぜひ読んでみてください。それでは次回まであなたのSAN値が良い値であることを。

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