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Story10

もう一つの話と同時アップです。

Story10 Party(おいしいこと)


ソマリアへと戻った私は各国の首都に住民投票の実施を通達した。住民投票の内容は連邦への編入の是非を問うものだった。そして公表から2週間後、エチオピアのアディスアベバ、ジブチのジブチ市、エリトリアのアスマラで投票が行われた。投票結果は編入賛成がどの市でも80%を超したため、編入が正式に決まった。同時に国連総会で、アフリカの治安維持と平和に全力を注ぐと宣言した結果、各国から称賛を受けた。その後、内部処理が終わり切ったある時、ある手紙が届いた。差出人はヒトミ・C・エイブラムスだった。


カチューシャ「ヒトミさんから?何かしら。」


手紙の封を開けると中には3つ折りの手紙が入っていた。


『カチューシャさんへ

 お久しぶりです。あなたがアフリカのソマリアに国家を再建してからアフリカの平和維持に尽くしてくださっているおかげで、アメリカ軍は早々に撤退の可能性を見いだせています。お話が変わりますが、来週の29日にピュージェットサウンドでパーティを行います。ハーフたちのパーティとして毎年開かれており、今年からカチューシャさんもメンバーとして登録をさせていただきました。

追記:連絡船である小型船舶がオリンピアの湾港施設から出ます。』


カチューシャ「パーティ・・・ね。」


正直な話、パーティに行く暇が今の私にはなかった。国内のインフラの整備、教育、産業育成・・・そのほかいろいろなことがある。しかし、それを後回しにしてでも出席する必要性があるのも確かだった。今回のパーティはハーフの集まるパーティなのだ。ゆえに、出席するのも悪くはないと私は考えた。


カチューシャ「まあ・・・出てみようかしらね。パーティドレスは・・・どれがいいかしら?」


パーティ当日の29日、私はピュージェットサウンドに居た。大型客船を改装したような見た目の船がパーティ会場だった。


カチューシャ「それにしても・・・ハーフって少ないのね。」


よくドラマで見るような人数ではなく、ほんの数名がデッキにいる程度の小規模なパーティだった。それでも、数名が話し合いをしていたりしていた。


カチューシャ「さすがに知らない人ばかりね。」


それでも私が知らないだけで、カチューシャさんは知っている。そんな人をあらかじめ聞いておき、話をしておくように言われていた。

 


対象は2人だった。1人はフェデリカ・Y・ユーティライネンという女性、もう一人はハルナ・S・マッキという女性だった。デッキで待っていること数分、私はその女性を見つけることができた。


カチューシャ「フェデリカさんですか?」


そう言うとその女性は私の方を振り返った。外見的には168cmほど、金色の髪をたなびかせ、瞳には縦に長い琥珀色の光彩を持つ不思議な女性だった。


フェデリカ「あなたがカチューシャさん?」


カチューシャ「ご存知でしたか。」


フェデリカ「ええ。あなたの事は聞いていたわ。」


カチューシャ「聞いていた?」


フェデリカ「ええ。カチューシャちゃんからよく聞いていたわ。この前も夢で会ったわ。」


カチューシャ「そうでしたか。」


フェデリカ「おっと・・・自己紹介がまだだったわね。私はEUの秘密諜報員をしているわ。」


カチューシャ「私はソマリアで国家元首をしています。」


フェデリカ「へ~。じゃああの子にも会ってもらおうかな。ハル~。」


そう言うと階段から銀色の髪をした緑色の目を持つゴシックロリータ調の服を着た女性が上がってきてフェデリカさんの横に立った。


フェデリカ「紹介するね。この子はハルナ・S・マッキっていう子。私とは冷戦期からの友達だよ。」


ハルナ「ハルナです。よろしくお願いします。EU内でイタリアの諜報員として活動をしています。」


カチューシャ「エカチェリーナと言います。ソマリアで国家元首をしています。」


フェデリカ「こんなところで話もなんだし、もうちょっと前に行こう・・・ね?」


そう言って私たちはデッキの先頭に近い場所に行った。


カチューシャ「つまり、あなたたちも元は同じことを目指していた。」


フェデリカ「ええ。私の目的は、誰かを生かし、誰かを殺し、誰かによって技術を公開し続けることにあった。時にその技術は大量殺戮兵器になり、時にその技術は多くの人間を救う事にもなった。核分裂、ペニシリン、VXガス、内燃機関・・・そのほかの多くの技術が、私を経由して世に発表をされた。」


ハルナ「私はそれの橋渡し役として、正確には接点を持たせるための実働部隊として。大学には何回も通ったし、パーティにも何回も行きました。時には作家とも接点を持った。日本の憲法第9条の改正の為に作家や時の首相に近づいたこともありました。」


カチューシャ「そして・・・私の事を聞いた。」


フェデリカ「カチューシャちゃんからあなたの事を聞いたときに驚いたわ。だって、私と似たようなことをしているんだもの。」


ハルナ「でも、今回は違う。カチューシャさんにはより綿密な計画がある。それに・・・私達よりも数段階強い。」


カチューシャ「なるほど。」


フェデリカ「だから、連携を取りたい。私はあなたを利用するし、あなたは私を利用すればいいわ。互いに目指すべき目標は同じ。だから協力をしてほしい。」


カチューシャ「わかりました。よろしくお願いします。」


そう言って私たちは固い握手を交わした。


ヒトミ「あ、カチューシャさん!ここにいたんですね!」


カチューシャ「え~っと・・・ごめんなさいね。旧友が来ちゃったので。」


フェデリカ「いえいえ、どうぞ。」


そう言って私は昔の友人とも建国後の話を交えながら、互いの話に花を咲かせた。

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