Story1-4
更新が遅れたことをお詫びいたします。理由を申し上げますと、新たなセッションを行っていた事と、リアルの方で忙しいことがあったためです。そんなわけで、これからは更新がかなり不定期になると思います。楽しみにしてくださっている方(そんな人がいてくれればうれしい限りですが。)には申し訳ありません。
普段通りに私は学校に行きました。しかし、右目には小型のHUDが付いているため、常に多くの情報がアップデートをされて行きました。ヒトミが今どこにいるか、どんな情報が送られているか、敵の情報、詳しい地図・・・こんなに多くの事をヒトミは1人でしていたのだとおどろかされました。そして授業も終わって帰る時間になった時、私は先生から止められました。私はこの目のことを聞かれると思っていましたが、ただ単に医学部の学長に届けてもらいたいものがあるということでした。どうやらこのHUDは外からではわからないみたいです。
となりの聖線大学医学部キャンパスまでは徒歩5分ほどで着けました。大学と言っても高校と敷地が同じなのでさほどかからないのが特徴です。あと、なぜ私が学長に届け物を届ける役目を受けたかというと、実はその学長が父の知り合いだからなのです。なんでも高校まで一緒に勉強した仲なのだとか。そんなこんなで私は施設に入りました。ここには多くの医学生が死体解剖などの実習を行う施設も兼ねているらしく、白衣にマスク姿の人がたくさんいます。学長室はそんな建物の2階にあります。私は階段を目指して歩いていましたが、ある曲がり角で突然現れた少女とぶつかってしまいました。・・・これが男性だったら典型的なマンガの始まりとかになるのでしょうが、あいにく私も相手も女性なので全然関係ありません。・・・と考えている場合ではありませんでした。私はその転んだ少女の手をつかんで起き上がらせてあげました。銀の髪に琥珀色の目でしたが、その目は変な感じが少ししました。私はすぐにぶつかったことを謝りました。
カチューシャ「ごめんなさい!大丈夫でしたか?」
するとその少女は私が知らない何か別の言語で話し始めました。ただ、どこかで聞いたような感じの言語でした。しばらくするとその少女はどこかに走って行ってしまいました。その少しあとで白衣の女性が何かを言いながら走って追いかけて行きました。
その姿を見た後で私は2階に上がり、学長室に入りました。学長は中にいませんでした。
私はお手洗いか用事かで行っているのかと思って部屋の中で待つことにしました。学長室は本棚が3つあり、その戸棚すべてに所狭しと本が入っています。昔聞いた話では、ロシア語の本もあるとのことだったので私はその本を探して読もうとしました。3分ほどでお目当ての本を見つけて取り出しました。すると戸棚が急に後ろに動いて目の前に部屋が広がっていました。
カチューシャ「隠し部屋?どうしてこんなものが?」
見つけてしまったものは仕方がない。そう思った私は部屋の中に入って行きました。
部屋の中にはパソコンやFAXが数台ありました。どんなものが送られてきているのだろうと思って私はそのうちの1つを見てみることにしました。その書類にはこう書いてありました。
『ヒトミ・C・エイブラムスの能力について』
・・・ヒトミのデータ?どういうことなの?不審に思った私は次のページをめくりました。その中には詳細なデータが入っていました。
『ヒトミ・C・エイブラムス。
アメリカ合衆国 ウィスコンシン州出身
生年月日:1819年 10月 18日
ハーフ:クトゥグアー人間
特殊階級:合衆国特務中将
特殊眷属:
炎の精…ライノなどの呼称がある模様。小型の知性あるプラズマと推測。
グロウラー…炎の精より大型の知性あるプラズマ。詳細なデータはないが、カナダで大規模な停電を起こしたことがあるとのこと。炎の精全般に言えることであるが、炎の精は皆一様にナスが嫌いらしい。
アフーム=ザー…極低温なプラズマを持つ炎の精とは別の区分の眷属。通信能力を持つとも言われているが詳細不明。
X-47…ヒトミ・C・エイブラムスの生み出した新たな眷属とのこと。透過性に優れていることから中性子の可能性を考えるが詳細不明。
アーツェン…メタリックな装甲を持つ大型の鳥のように見える存在。後部のエンジンや胸元の30mm機関砲がある以外に詳細不明。
特記事項:金属などを光速で放つことが可能。レールガンと推測される。
航空機免許を持っており、双発の軍用機を操縦できる。
感情の起伏が少ない。理由は不明。
発信者:Bae.Charenger. G 宛:聖線大学医学部学長殿 』
カチューシャ「学長は知っていた・・・?」
学長が知っている。ということは私の事も知っているのかもしれません。私が協力者であることを。そんなことを思っていると扉の方でロックを解除しようとしている音を耳にしました。私は急いで書類を元に戻して部屋から出ました。部屋から出ると戸棚は勝手に閉まって行きました。そしてその直後に扉が開け放たれました。